エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.796
2019.11.14 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
続いて、シングルスレッド処理を中心にPCの総合的なパフォーマンスを計測できるPCMark 10のスコアを確認していこう。
マルチスレッドへの最適化があまり進んでいないこともあり、コア数の多いCPUが不利になりがちなテストだが、「Digital Content」や「Gaming」は3モデルの中で最も高いスコア。「Essentials」や「Productivity」では、Core i9-9900Kの後塵を拝するもののその差はそれぞれ約3%と約1%でごくわずか。総合スコアでは、しっかりとトップを獲得している。
ここからは総合ベンチマークテスト「Sandra 20/20」のスコアを確認していこう。まずはCPU関連のテストとして、「プロセッサの性能」と「マルチメディア処理」の計測を行った。
「プロセッサの性能」は、Core i9-9900Kに比べて整数演算で約7割、浮動小数点では8割以上。Ryzen 9 3900Xとの比較でもそれぞれ3割以上も上回り、やはりコア数のメリットは大きい。また代々Intel製CPUが得意な拡張命令を多用した「マルチメディア処理」でも、その差は変わらず。第3世代Ryzenシリーズの拡張命令処理は、かなり最適化が進んでいるようだ。
続いてメモリ関連のテスト「メモリの帯域」と「メモリのレイテンシ」を確認していこう。いずれもメモリクロックは3,200MHzで、JEDEC準拠のプロファイルを使用している。
まずRyzen 9 3950XとRyzen 9 3900Xを比較すると帯域、レイテンシとも違いはなくメモリコントローラの性能は同じようだ。またCore i9-9900Kとの比較では、同クロックのメモリにもかかわらず帯域幅は20%も高い結果。一方、レイテンシは6割弱にとどまり、これまで通りやや苦手にしている。