エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.798
2019.11.19 更新
文:撮影・エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
ここからは借り受けた「Vector RS – Blackout TG」(型番:FD-C-VER1A-01)をパッケージから取り出し、実機に触れながら検証を進めていこう。なお外装パッケージは幅328mm、奥行き568mm、高さ673mmで、付属品および梱包材を含めた総重量は13.98kgとされる。店頭購入からの持ち帰りについては、カートの用意は必須だろう。
検証は「Vector RS – Blackout TG」を用意。「Vector RS – Blackout Dark TG」よりも左サイドパネルの透明度が高い |
まずはフロントパネルデザインをチェックしてみよう。「Vector RS」の外観上のアピールポイントは、多角形デザイン。真正面からフロントパネルを観察すると、トップ部は中心より右寄りが頂天で左右に傾斜。全体の約3分の1に相当する左寄りの縦列には、強化ガラスが装着されている。なお残り3分の2はスチール製パネルが装着されており、マットブラックの塗装が高級感を演出している。ちなみに右下の隅にはFractal Designの旧ロゴ(2019年8月にロゴマークを刷新)がプリントされていた。
フロントパネルを構成する2つの素材は、ABS樹脂製の台座に固定。なお素材間を間仕切るようにアドレサブルRGB LEDストリップが内蔵されている |
ちなみにフロントパネルは、上部にある左右計2本のピンでシャーシに固定。下部は左右の突起が溝にはまる格好で、比較的簡単に取り外す事ができる。ただし強化ガラスとスチール素材、ABS樹脂で構成されたパネル自体は重く、上部のピンを解除する際は脱落しないよう気を付けたい。
フロントパネルを外した、シャーシ側フロント面の様子。標準装備ファン2基が確認できる |
フロントパネル内側左右には着脱式の防塵フィルタを装備。メンテナンス性も考慮されている | ABS樹脂製フロントパネル本体側面には通気孔を設け、外気の取り込みや、ときに内気の排出をスムーズにしてくれる |
フロントトップに設けられた、スプリング式ピンコネクタ。フロントパネルを閉じると、シャーシ側の接点と接触し、アドレサブルRGBストリップに通電する仕組み。PCケースでは珍しい仕掛けだが、ケーブルの断線を未然に防止する最良の対策といえよう |
ボトム面をフォローする防塵フィルタはスライド着脱式。引き出すには一旦フロントパネルを取り外す必要がある。これについては賛否両論あるだろう |
外部アクセスポートおよびスイッチ類はフロントパネルトップの縁部分に装備されている。左端の正方形がPowerスイッチで、右端の丸形がResetスイッチだ。ポート類は、左側2つがUSB3.0ポート、中央がUSB3.1 Gen.2ポート、さらにHD Audio(音声入出力端子)が並ぶ。
左端のPowerスイッチは、通電状態で内部の白色LEDが発光する仕組み |
多角形デザインを司るのはトップパネルも同様だ。三角屋根のトップパネルは、左の傾斜面が強化ガラス製。右の傾斜面は表面がスチール素材、台座部がABS樹脂素材で構成されている。前者はトップからPCケース内部が透けて見える演出。後者はマットブラックの塗装により手垢などの汚れが付着しにくく、それぞれを上手に使い分けている。
トップパネルの三角屋根。リア部分にはフィン形状にデザインされたABS樹脂製の”装飾”を設け、背面の隙間を埋める役割を果たしている |
強化ガラス面と表面スチールのABS樹脂台座部は、個別に取り外しが可能。着脱手順は、まずフロントパネルを外し、隠れた付け根部分から露わになるインチネジ各2本を取り外す。その状態で強化ガラス面は手前にスライドすれば取り外しが可能 |
ABS樹脂台座部は3つのピンでシャーシに固定されており、上方向に引き剥がす格好。なお、取り外す際は、スプリング式ピンコネクタに接続されているケーブルを一旦外す必要がある |