エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.799
2019.11.23 更新
文:撮影・松野 将太
独自ソフトの確認を終えたところで、いよいよ「Prestige-15-A10SC-026JP」のベンチマーク結果をチェックしていこう。今回は基礎的な性能検証に加え、ゲーム系ベンチマークや画像・動画編集ソフトでのパフォーマンスも検証している。なお、出荷時のサンプル機材のパフォーマンス設定は「バランス」となっていたが、特定の状況下では性能に影響が出たため、プリセットを「高性能」に変更してベンチマークを計測した。
まずは、CPUの処理性能を測る定番ベンチマーク「CINEBENCH R15」および最新版の「CINEBENCH R20」の結果を確認する。
従来のモバイルノートPCで採用される事例が多かった「Core i7-8565U」の「CINEBENCH R15」におけるマルチスコアはおおむね650cbを下回るが、6コア/12スレッドの「Core i7-10710U」は、それらのUプロセッサよりも遥かに良好なスコアを発揮できている。ゲーミングノートPCなどにも採用されるTDP45WのHプロセッサにも迫る1000cb超えのスコアで、簡単な写真編集・動画編集はもちろん、普段使いの用途でも問題なく扱えるポテンシャルだ。省電力プロセッサにも関わらず、これだけのスコアが出せるのは魅力的だろう。
CPUの次は、ストレージのベンチマーク結果を見てみよう。テストには「CrystalDiskMark 6.0.2」と「ATTO Disk Benchmark 4.00」を使い、SSDの速度を確認している。なお、「CrystalDiskInfo 8.2.0」で確認したところ、サンプル機材に内蔵されていたSSDはWestern Digitalの「SN520 SDAPNUW-512G-1032」だった。
「CrystalDiskInfo 8.2.0」で取得したSSDの情報。PCIe 3.0×2で接続されている | 「CrystalDiskMark 6.0.2」、データサイズ1GiBでのテスト結果。シーケンシャル、ランダムともにNVMe SSDらしい優秀な結果だ |
「ATTO Disk Benchmark 4.00」では、データサイズ512KB以降で結果が安定。リード・ライトともにぶれの少ない転送速度を発揮できている |
次に、3D描画性能を確認できる定番ベンチマークソフト「3DMark v2.10.6797」の結果を確認する。まずはDirectX 12対応のテスト「Time Spy」から見ていこう。プリセットはWQHD(2,560×1,440ドット)解像度の「Time Spy」、および4K解像度(3,840×2,160ドット)の「Time Spy Extreme」を選択している。
GPUがMAX-QデザインのGeForce GTX 1650ということもあり、「Time Spy」「Time Spy Extreme」ともに結果は控えめ。「Time Spy」のGraphics testにおけるフレームレートは17~20fps前後、「Time Spy Extreme」では10fps以下で推移しており、実際のゲームプレイに支障が出るレベルのカクつきが起きていた。重めのゲーミング用途には適していないと言えそうだ。
続いてはDirectX 11対応テストである「Fire Strike」のスコアをチェックする。プリセットは4K解像度の「Fire Strike Ultra」、WQHD解像度の「Fire Strike Extreme」、フルHD解像度(1,920×1,080ドット)の「Fire Strike」の3種類を選択した。
プリセットの中ではもっとも軽量な「Fire Strike」テストにおいては、Graphics test中のフレームレートが30fpsを超えた一方で、「Fire Strike Extreme」や「Fire Strike Ultra」では厳しめの結果が出た。フルHD解像度でゲームがプレイできるかどうかはタイトル次第といったところだろう。「CS:GO」のようなやや古めのFPSシューターや「Dota 2」のようなMOBA系タイトル、描画負荷が重すぎないMMORPGであれば、画質次第でプレイできる可能性が高い。