エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.803
2019.12.02 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
ATXのミドルレンジモデル並みの10フェーズ電源回路。さらに厳選した高品質パーツを採用することで、第3世代Ryzenシリーズの安定動作が可能になるという |
製品の概要を把握したところで、ここからは画像を使い各種機能を詳細にチェックしていこう。まずはPCの安定性を司る電源回路からだ。
170×203mmのコンパクト基板ながら、PowIRstage「TDA21472」による10フェーズ(8+2フェーズ)電源回路を搭載する「ROG Crosshair VIII Impact」。さらに45Aまで対応する「Microfine Alloy Choke」や、高温環境でも安定した動作ができる「10K日本製ブラックメタルコンデンサ」、低インピーダンスかつ耐久性に優れる「Procool II電源コネクタ」、CPUが必要とする電力を正確に供給するデジタル制御コントローラ「Digi+ VRM」といった高品質なパーツを組み合わせることで、コア数が増えた第3世代Ryzenシリーズの安定動作を可能にしている。
電源回路はCPUソケットの左側に8フェーズ、上側に2フェーズの全10フェーズ構成 |
MOSFETはPowIRstage「TDA21472」で、チョークコイルには薄型の「Microfine Alloy Choke」を採用 |
CPUソケットはRyzenシリーズ向けのSocket AM4。周辺のコンデンサにはコンパクトかつローハイトのタンタルコンデンサを実装 |
デジタルPWMコントローラ「DIGI+VRM」。システムの要求に応じて消費電力を調整する「EPU」機能も内蔵し、無駄な電力をカットできる | 8pinの電源コネクタには低インピーダンスな「Procool II電源コネクタ」を採用 |
また電源回路の冷却には、実測30mm口径のファンを2基搭載するチップセットヒートシンク一体型のアクティブ冷却システムを採用。さらに表面積を増やすため、マザーボードでは珍しいフィン付きヒートシンクを採用し、スペースを最小限に抑えつつ冷却性能を高めている。
バックパネルカバーと一体化したアクティブ冷却システム。効率的に吸気できるようファン搭載部はメッシュパネルを採用する |
30mm口径の冷却ファンはL10寿命60,000時間のDELTA製。また電源回路やチップセットの冷却では珍しいフィンタイプのヒートシンクを備える |
「ROG Crosshair VIII Impact」に実装されるチップセットは、PCI-Express4.0や、自動チューニング機能「XFR2 Enhanced」「Precision Boost Overdrive」に対応するSocket AM4向け最上位のAMD X570。なお「ROG Crosshair VIII Impact」に実装された堅牢な電源回路と合わせて、第3世代Ryzenシリーズのパフォーマンスをどこまで引き出すことができるのかは、セッションの後半でチェックする。
コンシューマ向けでは初めてPCI-Express4.0に対応したAMD X570。その分発熱も増えているが、強力な冷却システムにより、テスト中に不安定な挙動を示すことは一切なかった |