エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.807
2019.12.13 更新
文:撮影・エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
Antecの歴代看板モデルを数多く輩出する「Performance」シリーズ。今回取り上げる「P120 Cryctal」は、「P」型番の最新ミドルタワーPCケースだ。製品名となる数字は「P110」から10の位がひとつ上がり「120」へ。そして特定モデルだけに与えられるアルファベットには「Crystal」が付けられた。
Antec「P120 Crystal」 市場想定売価税抜12,700円(2019年11月16日発売) 製品情報(Antec / 株式会社リンクスインターナショナル) |
ここで現在Antecのグローバルサイトの一覧に表示される「Performance」シリーズを、国内発売日順に振り返ってみよう。
静音筐体を得意とするAntecだけに、「Silent」が付くモデルは全3機種。一方で「Crystal」は初めて命名された記念すべき1号機で、市場に広く受け入れられれば”「Performance」シリーズの中でのシリーズ化”があるかもしれない。
そんな「P120 Crystal」の製品コンセプトは、美しく魅せるPCケースといったところだろう。透明なガラスをイメージさせる「Crystal」とあって、フロントパネルと左サイドパネル共に、ほぼ全面が透明度の高い強化ガラスを採用。LEDイルミネーションが無い状態でも十分に美しい筐体に仕上げられている。
今年開催されたCOMPUTEX TAIPEI 2019の会期中、Grand Hyatt Taipeiのプライベートルームにて開催された内覧会において「P120 Crystal」は披露された。ただし当初は「P82/P82 Crystal」として紹介され、エルミタでも詳細レポートをお届けしている。
改めて当時のプロトタイプ(とは言えほぼ完成版)を見比べると、外観はほぼ変わりがない。掲示されたスペック表とは若干数値の違いはあるものの、内部構造もほぼ同じとみていいだろう。
今回検証を行うにあたり、Antecの担当者に事情を聞くと、開発当初は「P8」のアップグレードモデルがコンセプトであったらしい。しかしながら設計を進めていくうちに、「P8」とは異なる水冷向けの魅せるPCケースが完成。成り行き上、新たに「P120 Crystal」が誕生した。ざっくり言えば、出来が良すぎて昇格といったところのようだ。
当初「P82/P82 Crystal」として開発が進行。内覧会で披露されたモデルは、フライヤーのみ型番が異なるものの、製品自体は「P120 Crystal」だった。なおAntecでは別途「P82」を開発し、2020年にはデビューさせる事が内定している |
整然としたAntecの台湾オフィスとEric Chen氏。「P120 Crystal」は、彼を中心とする開発チームにより製品化。開発コンセプトについて「内部パーツを完璧に魅せると同時に、エアフローのバランスも考慮して設計した」と話す |
実機に触れる前にスペック表から「P120 Crystal」の概要を把握しておこう。外形寸法は幅234mm、奥行き476mm、高さ485mmで、重量は10.4kg。ミドルタワーPCケースとしては、中型やや大きめといったところ。対応フォームファクタは、E-ATX(幅約280mmまで)、ATX、MicroATX、Mini-ITXとされる。
“強化”とは言えガラス素材の衝撃や傷へ配慮し、本体は厚手の不織布に包まれていた |
主素材はスチールで、副素材にABS樹脂、さらに強化ガラスで構成。カラーバリエーションはブラックの1色となる。ちなみに国内代理店は長きにわたりパートナーを務める株式会社リンクスインターナショナル(本社:東京都千代田区)で、国内製品保証は2年間。パッケージサイズは幅333mm、奥行き560mm、高さ600mmとされ、梱包材および付属品を含めた総重量は約12.4kg。店頭持ち帰りにはカートが必須だろう。