エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.810
2019.12.18 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
合計840Aの高出力に加え、放熱面積を高めた「Fins-Arrayヒートシンク」や「高熱伝導率パッド」など、冷却性能にもこだわることで、18コア/36スレッドCPUのオーバークロックにも対応する |
製品の概要を把握したところで、ここからは画像による検証を進めていこう。まずはPCの安定性を司る上で最も重要なCPUの電源回路からだ。「X299X AORUS MASTER」の電源回路には各フェーズ「70A IR Power Stage MOSFET」からなる、IR 12フェーズデジタル電源回路を搭載。最高出力は合計840Aに達し、18コア/36スレッドのIntel最上位CPUの安定動作を可能にしている。
さらに電力効率に優れるサーバークラスのチョークコイルやコンデンサ、電源回路に高い精度で電力を供給できる「8+8 Solid Pin CPU Power Connector」、放熱面積を高めた「Fins-Arrayヒートシンク」、標準的な製品の2.7倍の熱伝導率を備えた「高熱伝導率パッド」など、搭載コンポーネントの高品質化と放熱対策を徹底。Intel X299チップセットではミドルレンジに位置づけられる製品ながら、優れたオーバークロック耐性を実現している。
CPUソケットは左右にソケットレバーを備えるLGA2066。「Cascade Lake-X」の最新モデルはもちろん、Skylake-X Refresh/Skylake-X世代のCPUにも対応する |
CPUソケット上部にまとめられた12フェーズの電源回路。MOSFETには「70A IR Power Stage MOSFET」を搭載 |
コンデンサやフェライトコアチョークにもサーバーグレードの高品質なものを採用 |
電源回路のヒートシンクは、チップセットのヒートシンクと3本のφ6mmヒートパイプで連結。また厚さ1.5mm、5W/mKの「高熱伝導率パッド」を採用 |
CPU電源用の「8+8 Solid Pin CPU Power Connector」だけでなく、メインのATX 24pinも「Solid Pin」仕様。またコネクタの周囲はメタルシールドで補強されている |
「X299X AORUS MASTER」の電源コントローラは「IR Digital PWM」。フェーズダブラーを使い12フェーズに拡張されている |
チップセットはLGA2066プラットフォーム専用のIntel X299。電源回路と一体型のヒートシンクには、RGB LEDを内蔵した「AORUS」をレイアウト。「RGB Fusion 2.0」ユーティリティを使えばイルミネーションを変更できる。
LEDイルミネーションを内蔵したチップセットヒートシンク。その右側には、マルチメータで電圧を測定できる「電圧測定ポイント」を実装 |
製造プロセスは22nmのIntel X299チップセット。TDPは6Wで、ハイエンドプラットフォームとは言え、チップセット自体の消費電力はそれほど大きくない |