エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.813
2019.12.25 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
製品の概要を把握したところで、ここからは「ROG Rampage VI Extreme Encore」の機能を個別に確認していこう。まずPCの安定性やオーバークロック耐性に重要な電源周りからだ。
2005年にASUSから登場した「A8N32-SLI Deluxe」で初めて実装されたという「フェーズダブラー」電源回路。ハイエンドCPUが必要とする電力を余裕を持って供給できるだけでなく、電圧リップルも低減できることから、現在ではほぼすべてのマザーボードメーカーで採用されている。しかし負荷が大きく変動するメニーコアCPUとの組み合わせでは、電源供給の遅延が大きくなってしまうという欠点がある。そこで「ROG Rampage VI Extreme Encore」では、2つのパワーステージチップを連携して動作させる「チームアーキテクチャ」を採用したネイティブ16フェーズ電源回路を搭載する。
「Cascade Lake-X」世代の「新型Core X」シリーズに最適化した電源回路。フェーズダブラーを排除したことで、遅延のない高速な応答が可能になったという |
さらに500W以上の消費電力を処理できる「アクティブクーリングVRMヒートシンク」や、EPS 12Vへの安定した出力を可能にする「Dual 8ピン ProCool II 電源コネクタ」、ドライバIC、ハイサイドMOSFET、ローサイドMOSFETを統合した70A出力のInfineon「TDA21472パワーステージ」や、45Aまで処理できる合金コアチョーク「MicroFine alloy chokes」、高温状態でも長時間安定動作する「10K日本製ブラックメタルコンデンサ」、応答速度を最適化する「固体ポリマーコンデンサ」など、高品質なパーツを採用。最大18コア/36スレッドの「Cascade Lake-X」のオーバークロックにも耐えられる構造にした。
CPUソケットはLGA2066。「Cascade Lake-X」の他に、Skylake-X/Skylake Refresh-X世代の「Core X」シリーズにも対応する。ただしKabylake-Xには非対応 |
CPUソケットの上部に整然と並ぶ16フェーズ電源回路。8個の「固体ポリマーコンデンサ」を追加したことで、従来の「ROG Rampage VI Extreme Omega」からAC-DC負荷ラインは13.8%浅くなっているという |
電源コネクタはメインのATX 24pinと「Dual 8ピン ProCool II 電源コネクタ」の他、補助的な効果のあるPCI-Express 6pin、ペリフェラル4pinを備える |
ネイティブ16フェーズ電源回路の制御をするPWMコントローラ「Digi+」 |
ヒートシンクに実装された2基のデルタ製「Superfloファン」は60°C以上で動作。ノイズを無駄に増やすことなく冷却性能を高めている |
電源回路のヒートシンクは、10ギガビットLANコントローラのヒートシンクとヒートパイプで連結 |
チップセットはLGA2066プラットフォーム向けIntel X299。CPUとはDMI3.0で接続され、24レーンのPCI-Express3.0を実装。またメインストリーム向けより多い8ポートのSATA3.0(6Gbps)を搭載する。一方、USBはUSB3.0までの対応となるため、USB3.2 Gen.2×2やUSB3.2 Gen.2のインターフェイスを使う場合には、別途コントローラチップが必要になる。
LGA2066プラットフォーム向けIntel X299。ローンチは2017年7月で、2年以上使われる息の長いチップセットになった |
ミラーフィニッシュの美しいヒートシンクには、「Aura Sync」対応のイルミネーション機能を搭載 |