エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.813
2019.12.25 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
「ROG DIMM.2」はいずれもCPUのPCI-Express3.0に接続されているため、Intel VROCによるRAID構築が可能。なお実際のテストはヒートシンクを取り付けた状態で行っている |
「ROG DIMM.2」に実装されているM.2スロットは、いずれもCPUに接続されているためIntel VROCによる高速なRAID環境の構築が可能だ。そこで、今回はIntel「SSD 760p」シリーズの256GBモデル「SSDPEKKW256G8XT」を使い、RAIDの構築方法とそのパフォーマンスを簡単に紹介しておこう。
まず「Onboard Devices Configuration」の「M.2_2&PCIEX4_1 source selection」を「M.2_2」に設定 | 続いて「ROG DIMM.2」用のレーンを確保するため、「CPU PCIE configuration mode」を「Mode 2」または「Mode 3」に設定(使用するCPUによって異なる) |
「CPU Storage Configuration」の「DIMM.2_1」と「DIMM.2_2」を有効に。ここまでの作業で2つのスロットが有効化される | 「Intel(R) Virtual RAID on CPU」から「All Intel VMD Controllers」を選択 |
「Create RAID Volume」を選択して、RAIDに組み込むSSDやRAIDレベルなどを設定すれば作業は完了 |
単体時の「ATTO Disk Benchmark v3.05」の結果 | RAID 0時の「ATTO Disk Benchmark v3.05」の結果 |
チップセットのRAID機能と違い、CPUのPCI-Express3.0を使用するIntel VROC。DMI3.0によるボトルネックがないため、2枚のSSDによるRAID 0でも最高5.2G/secの高速なデータアクセスが可能だ。RAIDは使用するソフトウェアや、SSDによって効果が変わるため思い通りの性能が発揮できないこともあるが、少しでも高速なストレージを構築したい場合は有効な手段になる。
4枚のNVMe M.2 SSDを搭載できる「HYPER M.2 X16 CARD」。これから購入するなら電源回路を強化した「HYPER M.2 X16 CARD V2」を選択するのがオススメだ。なおこちらも実際のテストはヒートシンクを取り付けて行っている |
続いて4枚のNVMe M.2 SSDをPCI-Express3.0(x16)に搭載できる「HYPER M.2 X16 CARD」によるIntel VROCも簡単にチェックしておこう。
「HYPER M.2 X16 CARD」を使う場合は、「Advanced」タブの「CPU Storage Configuration」で「Hyper M.2 X16(VROC)」を選択。その他の設定方法は「ROG DIMM.2」と同じだ |
単体時の「ATTO Disk Benchmark v3.05」の結果 | RAID 0時(2枚)の「ATTO Disk Benchmark v3.05」の結果 |
RAID 0時(3枚)の「ATTO Disk Benchmark v3.05」の結果 | RAID 0時(4枚)の「ATTO Disk Benchmark v3.05」の結果 |
「ATTO Disk Benchmark v3.05」では、SSDの枚数が増えるに連れて、ほぼリニアにスコアが上昇。4枚では10GB/secに迫るスコアを記録した。大容量かつ高速なストレージを構築したいなら「HYPER M.2 X16 CARD」の導入を検討してみるといいだろう。なお今回はハードウェアキーなしのため、RAIDレベルはRAID 0のみ。使用するSSDもIntel製に限られてしまうが、別途ハードウェアキーを購入すればサードパーティのSSDや、RAID 1/5/10の構築も可能になる。