エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.814
2019.12.27 更新
文:松野 将太/撮影:松枝 清顕
まずは、3D描画性能を確認できる定番ベンチマークソフト「3DMark v2.11.6846」の結果を確認していこう。DirectX 12対応のテスト「Time Spy」では、プリセットはWQHD(2,560×1,440ドット)解像度の「Time Spy」、および4K解像度(3,840×2,160ドット)の「Time Spy Extreme」を選択している。
「Time Spy」では総合スコア、グラフィックススコアともに10,000を超える優秀な結果が出ており、WQHD解像度を想定したGPUの実力を遺憾なく発揮していると言っていいだろう。4K解像度の「Time Spy Extrem」ではスコアがぐっと落ちるものの、テスト中も画面がカクついて見られないというほどではなく、一定の成果を見せている。これだけ重い4Kのテストで健闘すれば大したものだろう。
ちなみにOC設定では結果が微増しているものの、ほとんど誤差といったレベルだ。動作クロックの上昇幅は30MHz程度なので、劇的な変化はないものの、OCがスコアに影響を及ぼしていることは分かる。
続いてはDirectX 11対応テストである「Fire Strike」のスコアをチェックする。プリセットは4K解像度の「Fire Strike Ultra」、WQHD解像度の「Fire Strike Extreme」、フルHD解像度(1,920×1,080ドット)の「Fire Strike」の3種類を選択した。
スコア自体は「Time Spy」テストに引き続き、フルHDおよびWQHDテストでは文句のない結果が出ている。「Fire Strike Extreme」でもグラフィックステスト時のフレームレートが60fpsを上回れているため、やはりWQHD解像度でのパフォーマンスには問題がなさそうだ。4K解像度の「Fire Strike Ultra」は悪くないスコアで、フレームレートもデモの視聴に耐えうる水準ではあるが、60fpsには届かないといった具合に落ち着いている。なお、このテストでもOC状態との差はわずかではあるが、すべてのプリセットでOC時のスコアが通常時を上回っている。
実際のゲームに即したベンチマークソフトでのチェックを実施していく。人気のMMO RPGの最新アップデート版「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」では、描画品質を“最高品質”に設定し、1,920×1,080ドット、2,560×1,440ドット、3,840×2,160ドットの3種類の解像度で計測を実施した。
本作はMMORPGの特性上、負荷が軽~中程度に留まることもあって、スコアはすべての解像度で最高判定である「非常に快適」を達成している。WQHD解像度までのプレイであれば平均フレームレートが60fpsを大きく超えてくるため、144Hz以上のハイリフレッシュレート液晶をあわせて利用するのも現実的なポテンシャルだ。OC時のスコアは相変わらず微増といったところだが、すべてのテストで通常時より上のスコアを出せているため、決して無意味とは言えない。
続いて、重量級タイトルとして定評ある「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」のベンチマークスコアをチェックしていこう。描画品質は“高画質”で、解像度は1,920×1,080ドット、2,560×1,440ドット、3,840×2,160ドットの3種類で計測している。
極めて負荷が高いテストながら、フルHD解像度ではスコアが10,000を超え「とても快適」判定を獲得している点に注目したい。本作を高い画質設定で快適にプレイできるGPUは非常に少ないため、その他の高負荷なタイトルも含め、60fps超えに妥協したくない場合はGeForce RTX 2070 SUPERが候補に挙がってくるだろう。ちなみに最高評価である「非常に快適」のラインは12,000以上となっており、本作がいかにヘビーなタイトルであるかが察せられる。WQHD解像度のスコアは「快適」、4K解像度では「やや快適」といった評価を達成しており、こちらもまずまずといったところ。なお、GPUの負荷が高いためか、OC時はスコアが2~3%アップしており、ここまでのタイトルに比べて若干上げ幅が大きい。