エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.815
2019.12.29 更新
文:松野 将太/撮影:松枝 清顕
まずは、3D描画性能を確認できる定番ベンチマークソフト「3DMark v2.11.6846」の結果から確認していこう。DirectX 12対応のテスト「Time Spy」では、プリセットはWQHD(2,560×1,440ドット)解像度の「Time Spy」、および4K解像度(3,840×2,160ドット)の「Time Spy Extreme」を選択している。
「Time Spy」テストでは総合スコアが5,200前後、Graphics Scoreが4,700前後で、「Time Spy Extreme」では総合スコアが2,300前後、Graphics Scoreが2,100前後という結果に。参考程度ではあるが、過去のベンチマークを見る限りは旧世代の「Radeon RX 590」と肩を並べる程度のスコアが出ており、ミドルクラスGPUとしては及第点の結果だろう。なお、Intel環境とAMD環境ではCPU性能やメモリクロックこそ異なるものの、スコアに大きな違いは出ていない。
続いてはDirectX 11対応テストである「Fire Strike」のスコアをチェックする。プリセットは4K解像度の「Fire Strike Ultra」、WQHD解像度の「Fire Strike Extreme」、フルHD解像度(1,920×1,080ドット)の「Fire Strike」の3種類を選択した。
「Time Spy」ほどの負荷がなく、フルHD解像度での描画テストである「Fire Strike」は、総合スコアが12,000を超え、「Graphics test 1」のフレームレートは60fpsオーバーを達成。息の長いeスポーツタイトルなど、多くのDirectX 11系PCゲームであれば、最高画質でもフルHDで60fps超えは期待できそうだ。「Fire Strike Ultra」や「Fire Strike Extreme」での結果は振るわないが、そもそもがフルHD解像度でのゲーミングを想定したGPUであるため、このあたりは致し方ない部分だろう。
ここからは、実際のゲームに即したベンチマークソフトでのチェックを実施していく。人気のMMO RPGの最新アップデート版「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」の公式ベンチマークテストでは、描画品質を“最高品質”に設定し、1,920×1,080ドット、2,560×1,440ドット、3,840×2,160ドットの3種類で計測を実施した。
AMD環境とIntel環境での数値はほとんど誤差の範囲。Intel環境で見ると、フルHD解像度での総合スコアは12,563で、快適さの指標は最高の「非常に快適」を達成。出力レポートから平均フレームレートを見てみると、84fpsと十分な値が出ている。WQHD解像度では総合スコアが7,940、平均フレームレートが53.1fpsと、60fpsをやや下回る。プレイ困難というほど低い値でもないが、平均60fps以上のフレームレートを犠牲にして解像度を上げるよりは、フルHDのままプレイするほうが快適だろう。
続いては重量級タイトルである「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」のベンチマークスコアをチェックしていこう。描画品質は“高品質”で、解像度は1,920×1,080ドット、2,560×1,440ドット、3,840×2,160ドットの3種類で計測している。
本作はNVIDIA製GPUへの最適化傾向が強いため、Radeon系のGPUは結果が振るわないことも多い。果たして、フルHD解像度でのスコアはIntel環境が4,295、AMD環境が4,178で、快適さの判定はいずれも「普通」。フルHD環境でもAAA級の負荷がかかるタイトルでは、フレームレートを稼ぐために画質を調整する必要が出てくるだろう。