エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.815
2019.12.29 更新
文:松野 将太/撮影:松枝 清顕
セッションの最後に、システムの消費電力とGPU温度をチェックしておこう。テスト方法は、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」を動作させた際の最高値を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時として採用し、計測はワットチェッカーで行っている。
ハイエンドGPUでは消費電力が300W台後半を叩くことも珍しくない「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」だが、TDP130WのRadeon RX 5500 XTでは最高値でもおよそ200Wとかなりの省エネ。電源ユニットは500Wクラスがあれば余裕で電力を賄えるはずだ。AMD環境ではアイドル・高負荷時ともに若干消費電力が高くなっているが、それでも200Wを大きく上回ることはない。
ベンチマーク実行時の温度も見てみよう。同じく「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」で、温度の推移は「HWiNFO 64」で取得した。
GPU温度はIntel環境(グラフ上)ではセンサー読みで最高62℃、AMD環境では最高64℃と非常に安定している。GPU Hot Spot TemperatureはAMD環境(グラフ下)で80℃を上回ったものの、あくまでホットスポットの値ということもあり、大きな問題はないと思われる。今回使用した「Radeon RX 5500 XT Challenger D 8G OC」は、デュアルファンや金属製バックプレートによる冷却力の高さもあり、熱に関しては気にする必要はない。Radeon RX 5500 XT搭載グラフィックスカードにはシングルファンモデルも用意されるが、冷却の安定性で言えばこうしたデュアルファンクーラーモデルに軍配が上がるだろう。
「Radeon RX 5500 XT」は、多くの現行PCゲームタイトルで最高画質・平均60fps以上の描画が可能なだけのポテンシャルを備えている。144Hz以上のハイリフレッシュレートディスプレイをあわせて利用する場合は、フルHD解像度設定で画質の調整を行うことで、多くのタイトルに対応可能だろう。総合的には、フルHD解像度で60~120Hz液晶を使用するような、比較的エントリー寄りの用途で活躍するミドルクラスGPUと言えそうだ。
「Radeon RX 5500 XT Challenger D 8G OC」の実売価格は28,000円前後。現在、Radeon RX 5500 XTの購入者向けにゲームソフトのバンドルキャンペーンが展開されており、グラフィックスカードの単品購入でも1月10日発売の「モンスターハンターワールド:アイスボーン マスターエディション」がプレゼントされる。ゲームの価格が5,000円前後であることを考慮すれば、モンハンで遊びたいユーザーにとっては特にコストパフォーマンスの高いGPUと言えるだろう。
協力:ASRock Incorporation