エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.819
2020.01.22 更新
文:松野 将太/撮影:松枝 清顕
まずは、3D描画性能を確認できる定番ベンチマークソフト「3DMark v2.10.6762」の結果を確認していこう。DirectX 12対応のテスト「Time Spy」では、プリセットはWQHD(2,560×1,440ドット)解像度の「Time Spy」、および4K解像度(3,840×2,160ドット)の「Time Spy Extreme」を選択している。
WQHD解像度のテストである「Time Spy」では、Gaming ModeとOC Modeでともにスコアが10,000を超えており、Graphics Test 1での平均フレームレートは60fpsを上回った。「Time Spy Extreme」ではスコアが5,000前後、Graphics Test 1の平均フレームレートは30fps前後に留まるものの、GPUのターゲットがWQHD解像度での快適なゲーミングであることを考えれば十分すぎる成果と言えるだろう。なお、どちらのテストでもGaming ModeとOC Modeではわずかに「OC Mode」のほうが高いスコアが出るものの、ほとんど誤差に留まっている。
続いてはDirectX 11対応テストである「Fire Strike」のスコアをチェックする。プリセットは4K解像度の「Fire Strike Ultra」、WQHD解像度の「Fire Strike Extreme」、フルHD解像度(1,920×1,080ドット)の「Fire Strike」の3種類を選択した。
「Fire Strike Extreme」のスコアは10,000超え、「Fire Strike」のスコアは20,000超えを達成し、「Time Spy」テストに引き続き文句なしのパフォーマンスを示している。もともと負荷が高めに設定されている3DMarkのテスト群だが、Graphics Test 1の平均フレームレートも2つのプリセットで60fpsを超えていることから、多くのタイトルでは画質設定を豪華にしても60fps超えを狙えるポテンシャルがあると言ってよさそうだ。4K解像度でもある程度の性能は発揮できるものの、平均60fpsオーバーを目指すのであれば、WQHD解像度までが現実的だろう。
続いて、実際のゲームに即したベンチマークソフトでのチェックを実施していく。人気のMMO RPGの最新アップデート版「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」の公式ベンチマークテストでは、描画品質を“最高品質”に設定し、1,920×1,080ドット、2,560×1,440ドット、3,840×2,160ドットの3種類の解像度で計測を実施した。
「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」 |
本作は「3DMark」に比べれば軽量なタイトルと言えるが、スコアは今回計測したすべての解像度設定で最高判定の「非常に快適」をパスしている。出力レポートを参照すると、テスト時の平均フレームレートはフルHDテスト時が139fps、WQHDテスト時が110fps、4Kテスト時が56fps。WQHDまではもちろん、4K解像度でもそれなりのプレイが可能と言える。MMORPGをフルHD解像度でプレイするようなシチュエーションでは性能を持て余すほどなので、ハイリフレッシュレート液晶と合わせて利用したい。
重量級タイトルとして名高い「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」のベンチマークスコアをチェックしていこう。描画品質は“高画質”で、解像度は1,920×1,080ドット、2,560×1,440ドット、3,840×2,160ドットの3種類で計測している。
「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」 |
トップクラスの重量級ベンチマークと言える本作でも、フルHD解像度でのスコアが10,000を超える優秀な結果が出ている。快適さの指標を見ると、フルHD解像度が「とても快適」、WQHD解像度が「快適」、4K解像度が「やや快適」。このクラスのタイトルにおいて、WQHD解像度で一定水準の快適さを確保できるGPUはそう多くないため、重量級ゲームをプレイしたいコアユーザーにとっては有力な選択肢のひとつに挙げられるだろう。なお、ここまで「Gaming Mode」と「OC Mode」の差はわずかだが、安定して「OC Mode」のほうが高いスコアを出し続けており、多少なりともオーバークロックする意義はありそうだ。