エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.822
2020.01.26 更新
文:松野 将太/撮影:松枝 清顕
ASUS「DUAL-RTX2070-O8G-MINI」 実勢価格税込56,000円前後(2020年1月17日発売開始) 製品情報(ASUS) |
「DUAL-RTX2070-O8G-MINI」は、IntelがCES 2020会期中に発表した“Ghost Canyon”こと新型のゲーミングNUC「Intel NUC 9 Extreme Kit」および「Intel NUC 9 Pro Kit」への搭載を想定して開発された、GeForce RTX 2070搭載グラフィックスカードだ。
一見するとごく普通の2スロット占有タイプのグラフィックスカードのようだが、特に長さが抑えられている。PCI-Express(x16)端子とのバランスを見ると分かりやすい |
カードサイズは長さ197mm、幅121mm、厚さ39mm。デュアルファンのVGAクーラーを採用した製品の多くが200mmを超えるのに対して、本製品はギリギリ200mmを下回る長さを実現。同じDUALシリーズのGeForce RTX 2060 SUPERグラフィックスカード「DUAL-RTX2060S-O8G-EVO」(長さ267mm、幅118mm、厚さ58mm)と比較してみると、奥行きは実に約70mm、厚さは20mmほど削られていることが分かる。
NUCに搭載された「DUAL-RTX2070-O8G-MINI」を写したカット。これでも長さはかなりギリギリ |
ASUSの資料によれば、「Intel NUC 9 Extreme Kit」および「Intel NUC 9 Pro Kit」の内部に搭載できるサイズのカードはこれまでにも存在したものの、シングルファン搭載のショート基板モデルに限られるという。シングルファンのGeForce RTX 2070搭載カードは高負荷時に温度が上がりやすく、NUCと組み合わせた場合冷却性能に不安が残る。そこで、“デュアルファン搭載でコンパクトモデル”の開発に至ったようだ。
搭載するGPUは、従来と同じくTU106コアのGeForce RTX 2070。定格よりも動作クロックが高く設定されたファクトリーOC仕様となっており、ベースクロックは1,410MHz、ブースト時の最大クロックは1,650MHz。ASUSの専用ユーティリティ「GPU Tweak II」による簡易オーバークロックにも対応しており、「OC Mode」のプロファイルを適用することで最大1,680MHzまで引き上げられる。また、マニュアルオーバークロックにも対応する。
「Axial-techファン」は、風圧を強めるために大型ブレード用のハブと下向きの空気圧を高めるバリアーリングを備えるハイエンドモデル向けのファン。冷却性能を可能な限り高める目的で、「DUAL-RTX2070-O8G-MINI」にも採用されているようだ |
細身な印象があるVGAクーラーだが、発熱の多いハイエンドGPU向けに設計された「Axial-techファン」を2基搭載しており、冷却性能を担保。GPUコアの温度が55℃を下回っている場合にファンの回転を停止する「0dB テクノロジー」もしっかり採用している。接続インターフェイスは従来通りPCI-Express3.0(x16)、補助電源ピンは8Pinx1のため、NUCに限らず、スモールフォームファクタのPCで採用が見込めるだろう。
一般的なASUS製グラフィックスカードと同じく「GPU Tweak II」も利用可能。プロファイルを適用した簡易オーバークロックや手動でクロック・電圧を設定するマニュアルオーバークロック、簡易モニタリングに対応 |