エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.822
2020.01.26 更新
文:松野 将太/撮影:松枝 清顕
まずは、3D描画性能を確認できる定番ベンチマークソフト「3DMark v2.11.6846」の結果を確認していこう。DirectX 12対応のテスト「Time Spy」では、プリセットはWQHD(2,560×1,440ドット)解像度の「Time Spy」、および4K解像度(3,840×2,160ドット)の「Time Spy Extreme」を選択している。
すでに述べている通り、「DUAL-RTX2070-O8G-MINI」はスペック的には通常のGeForce RTX 2070と変わらないため、基本的にはフルHD~WQHD解像度におけるゲーミング性能が注目すべきポイントとなる。その上で結果を見て行くと、WQHD解像度のテストである「Time Spy」では、Gaming ModeとOC Modeでともにスコアが約9,000。しっかりGeForce RTX 2070らしい性能を発揮できていることが分かるだろう。
「Time Spy Extreme」ではスコアが4,000前後となり、さすがに4Kのテストは厳しいと言えそうだが、(搭載CPUはともかく)コンパクトなPCでもこれだけの性能が発揮できると考えれば十分だ。どちらのテストでもGaming ModeとOC Modeではわずかに「OC Mode」のほうが高いものの、パフォーマンスがはっきりと変わるほどの明確な性能差は出ない。オーバークロックとはいえわずか30MHzの差ということもあり、この点は致し方ないだろう。
次にDirectX 11対応テストである「Fire Strike」のスコアをチェックする。プリセットは4K解像度の「Fire Strike Ultra」、WQHD解像度の「Fire Strike Extreme」、フルHD解像度(1,920×1,080ドット)の「Fire Strike」の3種類を選択した。
こちらのテストでも、「Fire Strike」のスコアはどちらのモードでも20,000オーバー、「Fire Strike Extreme」のスコアは10,000オーバーを達成しており、やはりフルHD~WQHD解像度では高いパフォーマンスを発揮できそうだ。4K解像度の「Fire Strike Ultra」テストではスコアが5,000前後とそれほど振るわないため、画質を上げつつフレームレートを高めに維持したい場合は、WQHD以下の解像度におけるゲームプレイが現実的と言える。なお、ここでもGaming ModeとOC ModeではOC Modeのスコアが高くなるものの、その差はわずかだ。
実際のゲームに即したベンチマークソフトでも結果を見てみよう。人気のMMO RPGの最新アップデート版「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」の公式ベンチマークテストでは、描画品質を“最高品質”に設定し、1,920×1,080ドット、2,560×1,440ドット、3,840×2,160ドットの3種類の解像度で計測を実施した。
本ソフトではテスト時にベンチマークスコアと快適さの指標が表示されるが、最高判定である「非常に快適」はスコアが7,000以上の場合に表示される。「DUAL-RTX2070-O8G-MINI」による計測では、すべての解像度設定で最高判定の「非常に快適」を達成しており、文句なしの結果だ。出力レポートを参照すると、テスト時の平均フレームレートはフルHD時で130.6fps、WQHD時で96.6fps、4Kテスト時が48fpsと、WQHDまでは90fpsを超える快適なフレームレートで動作している。4K解像度ではギリギリでスコア7,000超えとなったこともあり、フレームレートは平均50fps程度と60fpsに届かないものの、4Kでこれだけのフレームレートを出せるのは評価に値するだろう。
続いて、重量級タイトルとして名高い「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」のベンチマークスコアをチェックしていこう。描画品質は“高画質”で、解像度は1,920×1,080ドット、2,560×1,440ドット、3,840×2,160ドットの3種類で計測している。
快適さの指標は本作でも表示されるが、フルHD解像度が「とても快適」、WQHD解像度が「快適」、4K解像度が「普通」と、解像度を上げるにつれ結果が厳しくなっていく。本作のような負荷の高いタイトルでは、WQHD解像度でも快適と言えるほどのフレームレートを出し続けるのが困難なので、解像度をフルHDに落とし、画質を最高まで引き上げるような設定でゲームをプレイするのがベターと言えるだろう。ここまでの結果を見ると、OC Mode時のスコアは一部Gaming Modeに上回られているものの、基本的には高い値をマークしており、わずかながらOCの意義はあると言える。