エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.823
2020.01.28 更新
文:こまめ
MSI「Prestige-14-A10SC-165JP」 実勢価格168,000円前後(2020年1月現在) 製品情報(Micro-Star International) |
MSIのクリエイター向けノートPCである「Prestige」シリーズは、2019年11月にシリーズ名をリニューアルしている。最新モデルの「Prestige 14」は、2019年3月に発売された「Prestige PS42 Modern」の後継モデルだ。前モデルから筐体デザインが刷新されたほか、CPUが第8世代Coreプロセッサ(コードネーム:Whisky Lake)から最新の第10世代Coreプロセッサ(コードネーム:Comet Lake)にアップグレード。外部GPUも「GeForce GTX 1050 with Max-Qデザイン(4GB)」から「GeForce GTX 1650 with Max-Qデザイン(4GB)」へ、あるいは「GeForce MX150(2GB)」から「GeForce MX250(2GB)」に変更されている。
「Prestige 14」のCPU及びGPUのスペック。評価機では第10世代の「Core i7-10710U」と Turing世代の「GeForce GTX 1650」が使われていた |
モデルとしては3種類用意されているなかで、特に注目したいのがフルHD(1,920×1,080ドット)の上位モデルである「Prestige-14-A10SC-165JP」だ。CPUは6コア/12スレッドで動作する「Core i7-10710U」で、従来の4コア/8スレッドCPUに比べて高いパフォーマンスを期待できる。省電力タイプの「Uシリーズ」であるためゲーミングノートPCやクリエイター向けノートPCで使われている「Hシリーズ」の「Core i7-9750H」には劣るものの、高いマルチコア性能が求められる動画編集や画像処理、3D制作などにおいて威力を発揮するだろう。
グラフィックス機能はフルHDの上位モデルである「Prestige-14-A10SC-165JP」で「GeForce GTX 1650」、4K(3,840×2,160ドット)モデルの「Prestige-14-A10RB-255JP」とフルHDの下位モデル「Prestige-14-A10RB-250JP」では「GeForce MX250」が使われている。「GeForce GTX 1650」はエントリー向けGPUではあるものの、「3DMark Fire Strike」のGraphicsスコアで「GeForce MX250」の倍以上のパフォーマンス(筆者調べ)を叩き出せるほどの実力だ。クリエイター向けソフトではグラフィックス性能が快適さに影響するので、本格的な創作なら「Prestige-14-A10SC-165JP」を選びたい。「GeForce MX250」についてはパフォーマンスが低いとは言え、CPU内蔵の「Intel UHD Graphics」よりは遥かに高性能だ。「GeForce GTX 1650」ほどではないものの、クリエイティブな作業で効果を体感できるだろう。
またシリーズ共通の特徴として、「Creator Center」と呼ばれるクリエイティブな作業向けの最適化ユーティリティが収録されている点が挙げられる。対応ソフトはアドビのソフトを中心に、動画編集や3D制作、画像加工など合計43種類。各ソフトごとにCPUの使用スレッド数やGPU/メモリの最適化などが可能だ。
標準収録の「Creator Center」。各ソフトごとにCPU/GPUなどの動作を最適化できるほか、ハードウェアのモニタリング機能やパフォーマンス設定の切り替えなどを行なえる |
さらにクリエイター向けノートPCだけあって、色域の広いディスプレイが採用されている。特に4KモデルはAdobe RGBカバー率100%相当の色域で、印刷を目的としたプロクオリティの制作にも最適だ。フルHDモデルでも対応キャリブレーターを利用することで、sRGBの色域を忠実に再現できる。
フルHDモデルに標準収録の「MSI True Color」。用途に応じてディスプレイの色合いを手軽に変えられるほか、キャリブレーターを使ったカラーキャリブレーションにも対応 |
なおメモリとストレージはフルHDの上位モデル「Prestige-14-A10SC-165JP」がオンボードの16GB&512GB M.2 SSD、4Kモデル「Prestige-14-A10RB-255JP」は32GB&1TB M.2 SSD、フルHDの下位モデル「Prestige-14-A10RB-250JP」で16GB&512GB M.2 SSDの構成だ。オンボードメモリは増設や交換には対応していないので注意していただきたい。