エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.825
2020.02.02 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
ベンチマークによるインプレッションの前に、「TRX40 Taichi」のもつオーバークロック耐性を活かした「Ryzen Threadripper 3970X」のチューニングを試してみよう。「インタラクティブUEFI」の「OC Tweaker」にて、CPUのコアクロックと電圧を微調整。定格のベースクロックは3.7GHzのところ、4.35GHz(1.37V)で安定動作させることができた。設定を詰めればさらに上も狙えるかもしれないが、ひとまずどの程度パフォーマンスが向上するのか、定格動作のスコアと並べて確かめてみよう。
各種保護機能を無効化し、CPUの動作クロックを調整。電圧を1.37Vに設定したところ、4.35GHzで問題なく安定動作できた |
「CPU-Z」でオーバークロック時の「Ryzen Threadripper 3970X」をチェック。定格時とは異なり、全コアが4.35GHz固定で動作している |
まずはレンダリング系ベンチマークの定番である「CINEBENCH R15」のスコアからチェックしていこう。さすが論理64コアを誇る「Ryzen Threadripper 3970X」だけに、マルチコアの計測はあっという間に完了する。
スコア自体も見事なもので、マルチコアは定格でも7,000cbを軽々とオーバー。コンシューマ向け製品とは一線を画するマルチスレッド性能を見せつけている。そして従来モデルではやや苦手としていた、シングルコアのスコアも第3世代Ryzen級の結果に。死角のない優れたパフォーマンスと言える。
そしてオーバークロックにより、パフォーマンスはさらに目に見えて向上。もとよりベースクロックが高めのためシングルコアでは同等だが、マルチコアテストでは8,000cbを上回るスコアをマーク。定格との比較で10%ほどの差をつけることができた。
続いては、よりメニーコアCPUに最適化された最新テスト「CINEBENCH R20」の結果を見ていこう。やはりマルチコアテストのスコアが圧巻で、定格でも17,000ptsに肉薄。オーバークロック時には、定格に10%以上の差をつけて19,000ptsに迫るスコアをマークした。特にマルチスレッドが効くクリエイティブワークでは、オーバークロック耐性に優れる「TRX40 Taichi」の頼もしさを、より実感できるハズだ。