エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.830
2020.02.15 更新
文:/撮影・pepe
続いては連続した負荷テストにおけるCPUとGPUの温度をチェックしていこう。ストレステストには「3DMark Time Spy」をカスタムした60分間のオリジナルのループテストを実施。温度の計測には「HWiNFO」を使用し、計測時の室温は22℃だった。
80mmファンを採用したトップフロータイプのCPUクーラーによって冷却されるAMD Ryzen 7 3700Xの最高温度は72.8℃、リファレンスデザインのAMD Radeon 5700XTの最高温度は89.0℃となった。コンパクトな筐体ではグラフィックスカードの発熱で、ケース内の全体的な温度が上昇し続け最終的にCPUがサーマルスロットリングを起こしてしまうこともあるが、採用されているグラフィックスカードの冷却は外排気仕様であるため、そのような熱トラブルも未然に抑止されている。
続いて筐体周辺の騒音値をチェックしていこう。テスト条件は先ほどの「ベンチマークテスト:CPU/GPU温度」実施中に、トップ、フロント、右側面、左側面から30cm離れた場所にデジタルサウンドメーターを設置し、テスト中の最大値を記録した。
騒音値の一般的な目安として40dBA程度で図書館、50dBAで静かな事務所とされているが、トップのアイドル時は44.7dBA、ストレステスト時は48.4dBAと値が大きい。主な原因はCPUクーラーによる風切音だが、遮音構造ではないため致し方ない結果だろう。
ベンチマークテストのラストは消費電力をチェックしていこう。先ほど同様に高負荷時は「3DMark Time Spy」ストレステスト実施中の消費電力、アイドル時は起動直後約5分放置した数値を採用している。
アイドル時の消費電力は55W、「3DMark Time Spy」ストレステスト実施中の最大消費電力は312Wとなった。電源ユニットの出力に対して消費電力が高すぎると、電源ユニットが発熱しファンも回転数を上げるためノイズの発生源にもなりかねない。搭載されている電源ユニットは500W出力と十分な余裕があり、安定した運用がなされている。
圧倒的なマルチコア性能をもつ第3世代Ryzen、最新のRDNAアーキテクチャを採用するRadeon RX 5700 XT/RX 5700を搭載した、ハイパフォーマンスなゲーミングマシン。その構成を絶妙なコンパクト筐体に落とし込んだ「OMEN by HP Obelisk Desktop」は、これからPCゲームデビューを目論む、省スペース志向なユーザーにピッタリな1台だ。
ゲームユースはもちろん、システム要求が高いイメージのプロフェッショナル向けアプリケーションにおいても、一般的なワークフローであれば、十分対応できる処理性能をもっている。用途を限定されない、幅広いタスクをこなしてくれるだろう。
そして冒頭でも触れたように、日本HPが展開するゲーミングブランドの歴史は長く、多くの話題作を送り出した技術力・ノウハウが、現在の「OMEN」ブランドに息づいている。さらに一般向けPCから周辺機器までを幅広く手がける大手メーカーならではと言える、手厚いサポート体制も見逃せないポイント。コールセンターの電話対応からメール対応、AIチャット、公式LINEアカウントに至るまで、ユーザーを受け止める窓口は広い。安心して購入できる確かな性能のゲーミングマシンを求めた時、「OMEN」ブランドの製品がその要求に応えてくれるハズだ。
協力:株式会社日本HP