エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.831
2020.02.17 更新
文:撮影/松野 将太
さっそく、3Dレンダリング系の定番ベンチマークソフト「CINEBENCH R15/R20」を使い、CPUの純粋な性能をチェックしていこう。
「Ryzen 5 3500」のマルチコアテストのスコアは977cd、「Core i5-9400F」は918cdと、いずれも1,000cbに迫ろうかという優秀な結果だが、若干「Ryzen 5 3500」のスコアが優れている。シングルコアテストでも「Ryzen 5 3500」の優位は変わらない。どちらも動作クロックは似たような数値で推移するのだが、「CINEBENCH R15」では「Ryzen 5 3500」に分があるようだ。
メニーコアCPUでのテストを想定した「CINEBENCH R20」においても、「CINEBENHC R15」とスコアの傾向は同じだ。劇的な差は出ないものの、マルチコアテストとシングルテスト、いずれも「Ryzen 5 3500」が優れたスコアを出している。とはいえ、上位のCPUでは4,000pts超えも当たり前なこのテストにおいては、相対的に見れば両者の性能は拮抗していると言っていいだろう。
同じくCPUを使った「V-Ray」ベースのレンダリング系テスト「V-Ray Next Benchmark」の結果も見てみよう。
ここでは一転して、「Core i5-9400F」が「Ryzen 5 3500」を5%ほど上回るスコアを出している。製品スペックが似通っていることもあり、同じ3Dレンダリングでもエンジンなどの違いにより結果が大きく左右されそうだ。もともとIntel製CPUに有利な傾向のあるベンチマークということも、考慮する必要がありそうだ。
続いて、3D描画性能を確認できる定番ベンチマークソフト「3DMark v2.11.6866」の結果を確認していく。まずはDirectX 12対応のテスト「Time Spy」だ。プリセットはWQHD(2,560×1,440ドット)解像度の「Time Spy」、および4K解像度(3,840×2,160ドット)の「Time Spy Extreme」を選択している。
どちらも「Radeon RX 5700 XT」の性能をしっかり引き出せているスコアだが、いずれのテストにおいても、両者のスコア差は2%未満に留まる。それぞれのスコアに明確な傾向も見られず、複数回のテスト中では優劣が逆転する場面も散見された。どちらかがはっきり優れている、というほどの差は見られないのが正直なところだ。
続いてはDirectX 11対応テストである「Fire Strike」のスコアをチェックする。プリセットは4K解像度の「Fire Strike Ultra」、WQHD解像度の「Fire Strike Extreme」、フルHD解像度(1,920×1,080ドット)の「Fire Strike」の3種類を選択した。
こちらのテストでも、総合スコア、Graphics Scoreともに「Time Spy」と同じようなパフォーマンスの拮抗が見られる。少なくとも、Radeon RX 5700 XTとの組み合わせにおいては、平均的なパフォーマンスに大きな差は出ないと言っていいだろう。