エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.833
2020.02.21 更新
文:撮影・エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
続いて内部構造をチェックしてみよう。リアパネルデザインセッションでは、オーソドックスな設計と紹介したものの、実際には一筋縄にはいかない複雑な仕掛けだらけのPCケースである事が分かってくる。ここからは順を追って、余すところなくできるだ限り詳細に解説していこう。
ホワイト色のマザーボードトレイには、出荷時より合計9本のスタンドオフが装着されている。より正確に紹介すると、中段中央の1本のみがピンタイプで、ネジ留め前のマザーボードの位置決めができる。標準のスタイルではトレイ右手が空きスペースになっているため、マザーボードの装着作業は容易に行えるはずだ。
「Define R6」から採用されているボトムカバー(シュラウド)。トンネル状の内部には、電源ユニット搭載スペースと、HDDケージが内蔵されている。なお素材はスチール製で、シャーシにはリベットで固定されているため、着脱は想定されていない。また天板はスリットを設け、前寄り部分には素材の違うフタ状のものが装着されている。これについては後ほど解説しよう。
静音性だけでなく、冷却性能もアピールポイントの歴代「Define」シリーズ。最新作にもその設計思想は受け継がれている。ここからはさらに熟成された「Define 7」の冷却機構をチェックしてみよう。
マニュアルに記述が確認できる「Water Reservoir Build」(左)と「Server Build」(右)。自在にスタイルが変更できる事で、多くのニーズに応える事ができるワケだ |
静音性を高めるフロントドアを開くと、シャーシ前面には120mm/140mmファンが最大3基搭載できる搭載スペースが、通気孔越しに確認できる。一見密閉されたフロントデザインだが、側面にも通気孔を設け、外気を取り入れる事が可能。出荷時には140mmファンを2基標準装備し、ラジエターは360/280/240/140/120mmサイズが搭載できる。
なお、標準搭載ファンは「Dynamic X2 GP-14」(140x140x25mm)で、スペックは回転数1,000rpm、騒音値18.9dBA、風量68.4CFM、静圧0.71mmH2O。MTBFは100,000時間とされ、軸受けにはロングライフスリーブベアリングが採用されている。
2基の「Dynamic X2 GP-14」はテーパーネジにより固定。エアフローレイアウトは吸気となり、フレッシュな外気を常時取り込む事ができる |
5.25インチドライブベイを使用する場合、140mmファンは最大2基までの搭載に制限。ラジエターも最大サイズが280mmになる |
実測で幅約20mm、高さ約10mmのスリットを両サイドに用意。”密閉型窒息系”とは言わせない | ラジエターを搭載する場合、ボトムカバー前方のフタ(ABS樹脂製)は取り外す事になる。なお開口部は幅約165mm、長さ約180mm |
トップパネル部の冷却ファン搭載可能数は、最大で120mm/140mm共に3基まで。いずれも必要な場合のみ増設するオプション扱いとなっている。ただし5.25インチドライブベイを使用する場合、120mm/140mmファンいずれも最大搭載数は2基に減数される事を覚えておこう。なおラジエターは最大420/360/280/240/140/120mmサイズが搭載でき、5.25インチドライブベイ使用時は240/140/120mmサイズに限定。両者共存には折り合いをつける必要がある。
製品資料によると、140mmサイズ以上のラジエターを搭載する場合、搭載できるメモリの高さは「36mmまで」と明記されている。大型ヒートスプレッダ付きメモリは避けた方がいい |