エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.838
2020.03.05 更新
文:撮影・エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
一旦フロントパネルユニットを外し、シャーシ面をチェックしよう。フロント部には出荷時より140mmファン「Dynamic X2 GP-14」2基が標準で装備されている。なおこの面には、120mmファン4基への換装、または140mmファンが合計3基まで搭載できる。ただし、5.25インチオープンベイを使用する場合、120mmファンは3基までに制限される。
さらにラジエターは、120/140/240/280/360/420/480mmサイズをサポート。ただし、5.25インチオープンベイ使用時は最大360mmサイズまでに制限される。
フロントパネルには120mm/140mmファン固定用スリットを設け、搭載ポジションの調節が可能 |
ラジエターは最大480mmサイズまで搭載可能。オールインワン型水冷ユニットを超える、大型汎用ラジエターがマウントできる |
フロントパネルユニットの側面には実測で幅20mm、高さ18mmの通気孔を用意。密閉型の見た目とは異なり、通気性は十分に確保できている | 標準搭載ファン「Dynamic X2 GP-14」(140x140x25mm)。スペックは回転数1,000rpm、騒音値18.9dBA、風量68.4CFM、静圧0.71mmH2O。MTBFは100,000時間で、ロングライフスリーブベアリングを採用 |
トップパネルを外すと、シャーシ天板には広大な冷却ファン増設用スペースが露わになる。オプション扱いとなるが、フロント面同様120mmファンが4基、140mmファンが3基まで増設が可能。ただし5.25インチオープンベイ使用時は120mmファンが3基まで、140mmファンが2基までに制限される。
またラジエターは、120/140/240/280/360/420/480mmサイズをサポート。ただし、5.25インチオープンベイ使用時は最大360mmサイズまでに制限される。
CPUソケットに近いリアファンは標準装備。フロント同様140mmサイズの「Dynamic X2 GP-14」で、CPUクーラーから発生する暖かい空気を常時外部へ排出してくれる。なお、冷却ファンの固定穴はスリットタイプで、上下約25mmのスライドに対応。搭載ポジションの微調節ができる。また搭載可能なラジエターは120mmサイズまで。最もベーシックな簡易水冷の搭載に向く。
ボトム面の大判防塵フィルタを取り外すと、底面には通気孔が設けられている。後方は電源ユニットのマウントスペースだが、前寄りには120mmまたは140mmファンが2基搭載可能。ラジエターも240/280mmサイズがマウントできる。ただしケージタイプの3.5インチシャドウベイユニットとはトレードオフの関係にあり、ラジエターまたは冷却ファンを増設する場合は、取り外さなければならない。かなりダメージのあるデメリットという印象だけに、ここを活用するか否かは慎重に検討したい。
既に触れた通り、ボトムカバー(シュラウド)前方にあるABS樹脂製インレー上部には本格水冷のポンプ&リザーバーがマウントできる。後方寄り2枚目のインレーには4つのネジ穴があり、ここに右側面に装着済みのマルチブラケットを移設。ポンプ設置用の台座として利用できる。さらにトップパネルを外したシャーシ天板部には、φ25.4mmの「Water Cooling Fillport」を装備。チューブの吸水口として活用できる。
シャーシ側トップ面にはφ25.4mmの「Water Cooling Fillport」を用意 | 2.5/3.5インチドライブも固定できるマルチブラケットは、右側面前方の板に2枚固定。その内の1枚を台座として利用できる |
右側面上部に固定されている基板「Nexus+ 2 PWM Fan Hub」は、煩雑になる冷却ファンの配線を一括で賄うPWMファンハブだ。「Define 7」にも標準搭載される装備品で、左側に冷却ファン用の3pinコネクタを6口、右側に4pin PWM対応コネクタを3口備え、右端にはSATA電源用コネクタと、マザーボードのCPU_FAN(SYS_FAN)接続用コネクタがある。
複数の冷却ファンが搭載できるPCケースの場合、マザーボード上のファンコネクタがたちまち不足してしまう。さらに冷却ファンの数に比例して増えるケーブルは美観を損ね、魅せるPC構築には厄介な存在になるだろう。「Nexus+2 Fan Hub」はコネクタ不足と見映えをいっぺんに解決してくれる。
SATA電源ケーブル1本で、複数の冷却ファンやCPUクーラー/水冷ポンプの電源が供給できる |