エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.842
2020.03.21 更新
文:撮影/松野 将太・取材/tawashi
さっそく、3Dレンダリング系の定番ベンチマークソフト「CINEBENCH R15/R20」を使い、CPUの純粋な性能をチェックしていこう。
マルチテストのスコアは982cb、シングルテストのスコアは182cbと、ファーストレビューでX570マザーボードを使用した時とほぼ遜色のないスコアが出ている。性能面に関して、B450マザーボードを使用することによるパフォーマンス低下などは見られないので、安心していいだろう。単純なCPUのパフォーマンスに目を向けると、3~4年前に流通していたメインストリームの上位CPUを凌駕するマルチスレッド性能が印象的だ。
「CINEBENCH R20」においても、マルチスコアは2,481pts、シングルスコアは480ptsで、こちらもファーストレビューと変わらず。クリエイティブ用途ではよりメニーコアなCPUが圧倒的に有利となるが、普段使いやゲーム用途ではその恩恵を感じにくいため、このクラスのCPUでも十分、というユーザーも多いのではないだろうか。
CPUの次は、ストレージのベンチマーク結果を見てみよう。テストには「CrystalDiskMark 6.0.2」を使用し、M.2 SSDの速度を検証している。
B450マザーでもストレージ速度は問題なく発揮できる |
シーケンシャルリードが毎秒3,000MB/sec、シーケンシャルライトが2,000MB/secを超える優秀な結果が出た。こういった高速タイプのストレージでも問題なく利用できるのは嬉しいポイントだろう。これでも十分な速度だが、クリエイティブ用途などでさらなる高速化を目指す場合、もとの予算に2~3万円をプラスしてX570マザーボードとPCI-Express4.0 SSDを用意することで、シーケンシャル4,000MB/secオーバーの超爆速ストレージ環境を作ることも可能だ。価格分のメリットが感じられるのであれば、そちらを検討してみるのも悪くない。
また、特にBTOでは、別途データ保存用のHDDを追加したPC構成もあり得るだろう。速度はシーケンシャルリードで毎秒200MB/sec前後と大幅に落ちるものの、写真や動画など、保存したいデータ量が500GBを大きく超えるような場合は大いに有効だ。ゲームに関してはローディングや起動時間で快適度が大きく変わるため、なるべくSSDに入れることをすすめたいが、最近はデータ容量100GBを超えるような大作タイトルも珍しくない。やむを得ずHDDに・・・という場合もあるので、予算が許すのであれば、サブストレージは搭載しておくのが吉だ。もちろん、足りなくなったらその都度追加していってもいい。
続いて、3D描画性能を確認できる定番ベンチマークソフト「3DMark v2.11.6866」の結果を確認していく。まずはDirectX 12対応のテスト「Time Spy」だ。プリセットはWQHD(2,560×1,440ドット)解像度の「Time Spy」、および4K解像度(3,840×2,160ドット)の「Time Spy Extreme」を選択している。
GPUがフルHD解像度でのゲーミングをターゲットにする「Radeon RX 5500 XT」ということで、スコアの伸びは控えめ。このクラスのグラフィックス負荷がかかるような状況では、「Radeon RX 5700 XT」や「GeForce RTX 2060」「GeForce RTX 2070 SUPER」といったGPUが欲しいところだ。Ryzen 5 3500とのバランスはあまり良いとは言えないが、「とにかくゲームで高いフレームレートを出したい」、あるいは「高い解像度でプレイしたい」というのであれば、こういったGPUに予算を割り振ることを検討するといいだろう。「Radeon RX 5500 XT」よりも30,000円ほど高価になるが、特にゲーマーであれば活躍する機会も多く、割のいい投資になるはず。
続いてはDirectX 11対応テストである「Fire Strike」のスコアをチェックする。プリセットは4K解像度の「Fire Strike Ultra」、WQHD解像度の「Fire Strike Extreme」、フルHD解像度(1,920×1,080ドット)の「Fire Strike」の3種類を選択した。
フルHD解像度の「Fire Strike」テストでは総合スコアが10,000を超えている。フルHD解像度で、多少の画質調整込みでフレームレートが60fps程度出ていればOKならば、「Radeon RX 5500 XT」のパフォーマンスには満足できるだろう。また、「Fire Strike」より負荷の低いゲームは多くあるため、最新の重いタイトルはプレイしない、という割り切りができる人にもすすめやすい。