エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.842
2020.03.21 更新
文:撮影/松野 将太・取材/tawashi
テストセッションの最後に、写真編集と動画編集に関わるテストも試してみよう。まずは鉄板の写真編集アプリ「Lightroom Classic CC」で、299枚のNEFファイル(7,360×4,912ドット、容量12.5GB)を最高画質のJPEG画像に書き出すまでの時間を計測した。
結果はおよそ7分で、ファーストレビューの際にX570マザーボードで計測した値とほぼ変わらない。こうした作業では8コア/16スレッド以上のメニーコアCPUの効果が高いため、得意な作業とは言えないものの、趣味の範囲でそれほど頻繁に編集をするわけでもないのなら、最低限の期待には応えてくれるだろう。
動画編集ソフト「Premiere Pro CC」での動画書き出し時間はどうだろうか。再生時間7分41秒(容量2.49GB)の4K動画を、H.265(HEVC)、解像度フルHDのMP4ファイルとして書き出すまでの時間を計測した。
GPUアクセラレーションが有効になっているため、テストに「Radeon RX 5700 XT」を使用したファーストレビューよりも1分ほど完了までの時間が伸びている。いずれにせよ、こうした作業の完了速度にこだわるのであれば、CPUとGPUはどちらもアップグレードを検討するべきだろう。
ここまでの結果を見てみると、実売価格10万円を超えないような基本構成のPCであっても、性能は多くの人が求める水準に達している印象だ。猛烈に得意な分野があるわけではない反面、できないことも少なく、ちょっとした工夫、あるいは多少の追加予算で対応できることも多い。むろん、予算が潤沢にかけられるのであればそれに越したことはないのだが、「お試しでPCを1台買ってみたい」というような場合、こうしたコストパフォーマンスを重視したPCが向いているだろう。
先に述べている通り、今後はBTO PCでもこうした構成のモデルが増えてくることが予想される。自作はハードルが高い、という人なら、希望のスペックに見合うモデルを探してみるのもおすすめだ。