エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.843
2020.03.23 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
さてベンチマークテストが一段落したところで、テスト中における「PG-JU」の冷却面にスポットを当ててみよう。ロープロファイルのCPUクーラーとデュアルファンクーラー搭載のグラフィックスカードは、ベンチマーク中でどのように動作していたのか。「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を動作させた際を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時として、「HWmonitor」による計測を行った。
まずCPU温度を見てみると、高負荷時でも最大91℃に留まっており、十分に発熱を押さえ込めている。全高66mmのロープロファイル設計ながら、「JUNO PRO RBW」はRyzen 5 3500のパートナーとして、まったく不足のない冷却性能と言える。ファン回転数も2,000rpmを下回り、耳障りに感じることもない。もっともPCケース内にはだいぶ余裕があることから、カスタマイズで大型の空冷クーラー(あるいは簡易水冷)をチョイスして、冷却性能の底上げを狙ってもいいだろう。
そしてグラフィックスカードの方は、高負荷時でも70℃台に収まる優秀な結果。継続して負荷がかかる場合でも、「GeForce GTX 1660 Twin X2」が搭載するデュアルファンクーラーの恩恵が大きく、しっかり冷やし切れているのが分かる。アイドル時も機動的に回転数を落としつつ、40℃台に収めるソツのない性能。動作音が気になるシーンもまったくなかった。
最後に「PG-JU」の消費電力を振り返り、テストセッションを締めくくろう。「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」および「PUBG」を動作させた際を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時として、消費電力をワットチェッカーを用いて計測した。
ゲームプレイ時は200Wを超えてくるものの、全体的にシステムの消費電力は控えめだ。搭載する電源ユニットの容量が750Wであることを考えれば、かなりの余裕がある。カスタマイズ項目におけるCPUはRyzen 5 3500かRyzen 5 3600、グラフィックスカードはGeForce GTX 1660固定のため、何かしらオプションを追加したとしても、それによって消費電力が大きく変動することはないだろう。
昨今のゲーミング標準であるフルHD環境において、リッチな設定のまま快適に遊べる性能が欲しい。しかもコストはできるだけ抑えたい。今回検証を行ったストームの「PG-JU」は、そうした一見欲張りに思えるニーズに応えるゲーミングマシンだ。
コストパフォーマンス抜群の旬な構成である「Ryzen 5 3500+B450」をベースに、GeForce GTX 1660をトッピング。プレイするタイトル次第では、フルHD環境においてゲーミング液晶のポテンシャルを引き出すことも可能な実力を備えている。
そして単に安価な構成を組み合わせただけでなく、見栄えするガラス採用ケースや高速なNVMe SSD、GOLD認証電源など、ツボを押さえたパーツ選定が好印象だ。それでいて基本構成で10万円以下というミッションも達成。コストパフォーマンス志向のゲーマーに向けた最適解の一つが出来上がった。
協力:株式会社アイティーシー