エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.844
2020.03.25 更新
文:撮影・こまめ
ここからは「Modern 14」の性能について、ベンチマーク結果を交えながら解説しよう。今回使用したのは最上位モデルの「Modern-14-A10RB-842JP」。CPUはCore i7-10510U、メモリ容量は16GB、ストレージは512GB M.2 SSD、グラフィックスは「GeForce MX250」の構成だ。
なおベンチマークテストの実施あたりWindows 10の電源プランは「バランス」に、「Creator Center」の「システムチューナー」で性能を「Sport」、ファンを「Cooler Boost」に変更している。ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミングなどで大きく変わることがあるため、あくまで参考値として考えていただきたい。また文中で触れている他パーツとの比較値は、筆者調べによるものだ。
まずはCPU性能を計測する「CINEBENCH R15」および「CINEBENCH R20」の結果から。
「Modern 14」で使われているCore i7-10510U (コードネーム:Comet Lake)は、現行のモバイル向けIntel第10世代CoreプロセッサにおいてCore i7-10710U (コードネーム:Comet Lake)やCore i7-1065G7 (コードネーム:Ice Lake)に次ぐ位置づけの上位CPUだ。しかし「CINEBENCH」のテストでは振るわず、同じCore i7-10510Uの平均値に比べて15%前後低い結果が出ている。ベンチマークスコア的にはCore i5と同程度と言っていい。
しかしこれはおそらく、CPUの発熱を抑えるためだろう。デュアルファンを搭載することで本体内部を効果的に冷却しているとは言え、これだけ薄くコンパクトであるならば内部に熱がこもりやすいはずだ。熱によるPCの不具合や劣化を防ぐために、大きな影響が出ない程度にあえてパフォーマンスを抑えるているものと思われる。ノートPCで絶対的な信頼性を誇るMSIらしい配慮だ。
「CrystalDiskMark 7.0.0 x64」で512GB M.2 SSDのアクセス速度を計測したところ、シーケンシャルリードで約3,390MB/secと非常に優れた結果となった。ちなみに評価機で使われていたのはWDの「SN730」512GBモデル。公式スペックによると接続インターフェイスはPCI-Express3.0(x4)で、シーケンシャルリードは最大3,400MB/sec、シーケンシャルライトが最大2,700MB/secだ。ほぼ公式スペックどおりの結果が出ている。
「CrystalDiskMark 7.0.0 x64」によるアクセス速度計測結果 |
3Dベンチマークソフト「3DMark Version 2.11.6866」から、フルHD環境でのDirectX 12のパフォーマンスを計測する「Time Spy」の結果は以下のとおり。
CPU性能がやや低かったのに対し、グラフィックス性能は同じ「GeForce MX250」の平均値よりも30%程度高いスコアが出ている。CPU内蔵の「Intel UHD Graphics」とのスコア差はおよそ2.8倍だ。「GeForce MX250」搭載モデルならDirectX 12を利用する3Dソフトにおいて、多少の効果は感じられるだろう。