エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.849
2020.04.06 更新
文:撮影・エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
フロントパネルのデザインに同様、ドライブベイレイアウトも比較的シンプルな部類だろう。「P82 Flow」のストレージ収納スペースは大きく分けて2箇所だ。ここからは個別の収納スペースを解説しよう。
ひとつ目はボトムカバー(シュラウド)内部の前方寄りにある、ケージタイプのシャドウベイユニット。ハンドスクリュー1本で固定されたコの字型のユニットには、スライド着脱式のABS樹脂製トレイが装備されている。通常このタイプなら最低でも2台分のトレイが相場だが、「P82 Flow」では1台分に留められている。その分、シャドウベイユニット天板部にもネジ穴を設け、2.5インチSSDまたは3.5インチHDDが1台搭載可能。ABS樹脂製トレイにも2.5インチSSDまたは3.5インチHDDが1台搭載できる事から、この部分には最大2台のストレージが収納できる事になる。
ABS樹脂製トレイとシャドウベイユニット天板部を利用する、やや変則的なレイアウト。収納力が同じなら、専用トレイを2台分にしてもよかったかもしれない |
シャドウベイユニットは搭載箇所が変更可能。フロント部にラジエターを搭載する場合、後方へ30mm移動できるネジ穴が用意されている |
右側面のフロント寄り縦列には「Movable 2.5″ SSD Rack(ムーバブル2.5インチベイ)」を装備。このエリアには、2.5インチSSDを縦に2台マウントできるようになっている。さらにパーツ名からも分かる通り、トレイは着脱および移設が可能。上下各1本のハンドスクリューで固定されたトレイを、左側面のマザーボードトレイ右側の空きスペースに設置すれば、強化ガラス越しにSSDがディスプレイ可能になるというワケだ。
出荷時は右側面「EXTERNAL SIDE」に搭載されている「Movable 2.5″ SSD Rack(ムーバブル2.5インチベイ)」 |
SSDの強化ガラス越しに魅せるスタイルは「INTERNAL SIDE」。ユーザーの好みに応じた柔軟な仕掛け |
取り外した「Movable 2.5″ SSD Rack(ムーバブル2.5インチベイ)」。2台のSSDが固定できる穴が確認できる |
拡張スロットは全部で7段で、ATX規格のミドルタワーPCケースとしては標準的な設計。流行の垂直スロットの用意は無い。さらに細かく見ていくと、最上段だけネジで固定されており、残り6段は必要な箇所だけ切り離して使用する。エントリークラスのPCケースで採用される事が多い手法だが、現在の自作PC事情では決められた箇所以外使用する事はほぼ無い。「P8」では独立タイプだったが、「P82 Flow」は必要最低限の割り切りが見て取れる。
オプションの電源ユニットはボトムレイアウトを採用。リベットで固定されたボトムカバー(シュラウド)内部に格納される。なお同じボトム面にはシャドウベイユニットが装備されているが、有効スペースは奥行き229mmまでを確保。その気になれば、1,000W超のハイエンド電源ユニットが搭載できる準備はできている。