エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.855
2020.04.19 更新
文:撮影/松野 将太
「Radeon RX 5700 XT」搭載グラフィックスカードのラインナップは、「Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」「Radeon RX 5700 XT Phantom Gaming D 8G OC」「Radeon RX 5700 XT Challenger D 8G OC」の3モデル。すべてのシリーズから選択肢が1つずつあるわけだが、今回は最上位の「Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」をメインに紹介する。
「Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」実勢価格税抜59,000円前後(2020年4月現在) |
「Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」は、3連ファン搭載のオリジナルVGAクーラーを採用したハイエンド仕様のグラフィックスカード。マザーボード分野で定評のあった「Taichi」シリーズからリリースされた初のグラフィックスカードであり、同時に現行唯一の「Taichi」グラフィックスカードでもある、プレミアム感の強い製品だ。“Taichi”のネーミングは、万物の根源である中国思想の概念「太極(タイチー)」を意味し、“あらゆる用途に対応できるハイエンド製品”であることを示している。
トリプルファンによりカード長は長め。補助電源は8pin×2 |
動作クロックは、Gaming Mode時のベースクロックが1,810MHz、ゲームクロックが1,935MHz、ブースト時最大クロックが2,025MHzと、定格よりやや高めに設定された、いわゆるファクトリーOC済みのモデルとなる。先に述べたオーバークロックユーティリティ「ASRock Tweak」を使用することで、動作モードの変更や手動によるオーバークロックが可能だ。
電源回路は10+1フェーズ電源設計で、オリジナル基板を採用。外観は「Taichi」シリーズのアイコンとも言える歯車の意匠が各部に採用されているのが印象深い。VGAクーラーは、中央に80mm冷却ファン1つ、左右に90mm冷却ファン2つを配置したトリプルファン構成で、本体の厚みはおよそ2.5スロット。セミファンレス駆動を実現する「0dBサイレントクーリング」により、GPU負荷が低い状態では無音での動作が可能となっているのも嬉しい。なお、やや珍しいポイントとして、DisplayPort×4、HDMI×2の合計6系統の映像出力端子を備えている。総じて、ASRockの現行グラフィックスカード最上位製品らしい豪華な機能が盛り込まれているのが最大の特徴と言える。
「Radeon RX 5700 XT Challenger D 8G OC」。VGAクーラーにはシンプルなデュアルファンを搭載し、ベースクロックは1,650MHz、ゲームクロックは1,795MHz、ブーストクロックは1,905MHz。コストを抑えているぶん、「Taichi」よりも10,000円ほど安価な実勢48,000円前後を実現している |