エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.857
2020.04.23 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
Seasonic「FOCUS-GX-750」 市場想定売価税込23,980円(2020年4月現在) 製品情報(株式会社オウルテック)(Seasonic) |
今回の主役となるのは、3月にSeasonicから発売された80PLUS GOLD認証の電源ユニット「FOCUS GX」シリーズ。ついこの間詳細レビューをお届けしたばかりの「FOCUS GM」シリーズとは、名前もパッケージもよく似た(同じく80PLUS GOLD認証の)姉妹モデルだ。
より具体的には、「FOCUS GX」はケーブル仕様がフルモジュラータイプになっており、セミモジュラーの「FOCUS GM」より上位のシリーズという位置付け。筐体もほぼ同じデザインが採用されているものの、実は中身はだいぶ別モノになっている。
Seasonicの新しい電源ユニットのラインナップにおいて、80PLUS GOLD認証モデルの上位シリーズにあたる「FOCUS GX」。フルモジュラー仕様かつ内部設計で差がつけられている |
それでいったい何が違うのか。まず一次・二次側回路の両方に日本メーカー製の105℃コンデンサを使用するという、コンポーネントへのこだわりは「FOCUS GM」と同様。特筆すべきはその内部設計で、Seasonicの近年におけるお家芸として高級モデルが導入した「ケーブルレスデザイン」が採用されている。
PCBと銅板で直に接続された背面パネルなど、筐体内部にほぼケーブルを使用しない設計。エアフローを阻害しないのはもちろん、作動時の電力品質を向上させるメリットがある。なお、こうした信頼性に優れた設計により、メーカー保証はクラス最長となる10年間だ。
内部をケーブルが行き交うレイアウトは過去のもの。高級シリーズ同様に、入力部を除きケーブルレスの設計が採用されている | 冷却はセミファンレス動作に対応するほか、セミファンレスの有無をスイッチで切り替えられる |
また、冷却機構には「Fluid Dynamic Bearing(FDB/流体動圧軸受)」を採用した120mmファンを搭載。セミファンレスの「ハイブリッドファンコントロール機能」に対応しており、システムの負荷に応じてファンレス/サイレント/クーリングの3つから動作モードを自動で選択、最適な冷却を行う仕様だ。
さらに冷却ファンの常時回転を望むユーザー向けに、ファンレス機能の切り替えスイッチを搭載。ファンレスなし(常時回転)の「S2FC」とファンレスありの「S3FC」をワンタッチで切り替えることができる。ファンレス機能の有効性については、後ほどテストセッションで検証してみよう。
「FOCUS GX」シリーズのパッケージは、姉妹モデルの「FOCUS GM」とよく似ている。裏面の機能解説をよく確認し、間違えないようにしたい |
なお、「FOCUS GX」シリーズは容量別に650W/750W/850Wの3モデル展開。今回はその真ん中にあたる750Wモデルの「FOCUS-GX-750」を借り受け、検証に使用している。電源ユニットとしての基本仕様については、以下の表を参照してほしい。