エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.857
2020.04.23 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
筐体の内外を観察して「FOCUS-GX-750」の素性を理解したところで、いよいよ実動テストに移ろう。CPUはTDP 105Wの12コア/24スレッドCPU「Ryzen 9 3900X」、グラフィックスカードはTDP 300WのASRock「Phantom Gaming X Radeon VII 16G」を用意。同じくASRockのX570マザーボード「X570 Taichi」とともに、AMD環境のハイエンドマシンを組み上げて検証に使用した。なお検証に際しては、常時ファンが回転する「S2FC」に設定した状態で各種テストを行っている。
Ryzen 9 3900X&Radeon VIIという、AMD環境のハイエンドマシンを構築。各種負荷テストを行って電源ユニットの挙動を確かめていく |
CPUは12コア/24スレッド対応の「Ryzen 9 3900X」。マザーボードは強靭な電源回路を備えた、ASRockの売れ筋モデル「X570 Taichi」を使用した |
Radeon VIIの動作を「GPU-Z」でチェック。ピーク時の動作クロックは、最大1,800MHzまで上昇していた |
製品の検証には、電圧変動を視覚的に把握できる「AIDA64 Extreme Edition」を使用している。まずはその中に搭載されている、ストレステストの「System Stability Test」を実行し、高負荷の環境下における挙動を確かめてみよう。テストのチェックボックスをすべて埋めて最大の負荷がかかるように設定し、30分間動作させることにした。
テストの際の最大消費電力は428W。一般的に電源ユニットは半分程度の負荷がかかった際に最も効率的な動作が可能とされていることから、今回はやや重めの負荷がかかっていたことになる。
まずシステムの主要な動作に用いられる+12Vの数値を中心に見ていくと、最小値はわずかに定格を割っている。しかし規格上2%程度の変動が認められていることを考慮すれば、全体の変動幅も±合わせて0.04%ほどと、極小と言っていい範囲だ。そして何より、グラフの波形がフラットそのもので、なおかつ平均値と最小値が同数値というブレのなさは極めて好印象。高負荷環境下でも常に一定の出力を維持できるという、お手本のような結果はさすがだ。