エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.859
2020.04.27 更新
文:/撮影・pepe
ここからは、実際に電源を入れてその映り具合を確認していこう。「AORUS FI27Q-P」のパネルには、発色がよく色再現性に優れるIPS方式を採用。TNやVA方式に比べ視野角によるコントラストや輝度の変化が少ないとされ、水平垂直ともに178°の広視野角により2画面、3画面といったマルチディスプレイ環境の構築にも向いている。
左右に傾けてもコントラストの変化はほぼ無いが、フレーム周辺はやや輝度が下がりやすい |
上下に傾けた際もフレーム周辺はやや輝度が下がる印象だが、中央付近の変化は少ない |
一般的に広く使われている8bit対応の液晶パネルは各RGBを256階調とする約1,677万色で表示されるが、10bit(8bit+FRC)に対応する「AORUS FI27Q-P」は、各RGBが1,024階調となり、約10億7,374万色という膨大な色を使うことができる。さらに色域はデジタルシネマ向けの広色域規格DCI-P3を95%カバー。「DisplayHDR 400」により、画像処理や映像制作といったプロフェッショナル向けのプロダクトに迫る表現力を持っている。
10bit(8bit+FRC)を有効にする際は、NVIDIA STUDIO DRIVERをインストールし、NVIDIAコントロールパネルから出力色深度を10bpcに変更する |
Windowsのディスプレイ設定により、10bitが適用されたことが確認できる |
HDRについてもWindowsのディスプレイ設定から「Windows HD Color」を有効化することが可能 |
ここからはゲーミング液晶の要ともいえる、高機能なOSD設定をチェックしていこう。画面中央下部にあるジョイスティック「5-Way OSD Joystick」を押し込むと、OSD基幹メニューが表示され、システム情報を表示させる「DASHBOARD」、ゲーマー向けの便利機能を集約した「GAME ASSIST」、各種設定項目が詰まった「SETTING」が選択できる。なおOSDの操作はこの「5-Way OSD Joystick」の操作だけで完結するシンプルな設計で、スイッチやボタンを手探りで押し間違えることはない。
ジョイスティックを押し込むと、OSDメニューが表示される |
「GAME ASSIST」では、カウントアップ・ダウン式のタイマー「Gaming Timer」、設定した時間を繰り返しカウントする「Gaming Counter」、リフレッシュレート「Refresh Rate」、これらのOSD情報の表示位置を調整する「Info Location」、練習用のクロスヘア「Crosshair」、マルチディスプレイ環境のセットアップに便利な「Display Alignment」の各ガイドを表示。「DASHBOARD」は、CPU温度やクロック、ファン回転数といった任意のシステム情報をOSD表示させることができる。
タイマーやリフレッシュレートを表示 |
練習用のクロスヘアを表示する「Crosshair」 |
マルチモニタ環境のセットアップに便利な「Display Alignment」 | 任意のシステム情報を表示させる「DASHBOARD」 |
「SETTING」では画像や映りに対して各種設定を行うことができる。メニューに入ると、視認性やディスプレイ同期を設定する「Gaming」、各シーンに応じたプリセットの変更ができる「Picture」、入力信号やオーバースキャンを設定する「Display」、メイン表示している映像信号に異なる映像信号を表示させる「PIP/PBP」、OSDメニューの表示言語やLEDイルミネーションを設定する「System」、最大3つのOSD設定を保存できる「Save Settings」等をカスタマイズすることができる。
モーションブラーを軽減して視認性を高める「Aim Stabilizer」、仕様上画面輝度が低下する |
露出を抑え暗部の明るさとコントラストを持ち上げる「Black Equalizer 2.0」。テストセッションで詳細を確認しよう | 入力信号を切り替える「Input」 |
異なる映像信号を表示させる「PIP/PBP」 | OSDメニューは日本語表示にも対応 |
なお、「5-Way OSD Joystick」はOSDメニューに入らず上下左右に倒すと割り当てられた機能を素早く呼び出すショートカット機能を備える。デフォルトで割り当てられた機能は、それぞれOSDメニューの「Quick Switch」から任意の機能へ変更可能だ。
右に倒すと入力信号の切り替え | 下に倒すとプリセット登録された「Picture」 |
左に倒すと「Volume」 | 上に倒すと「Black Equalizer 2.0」 |