エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.861
2020.05.01 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
PLEXTOR「M9P Plus」シリーズ「PX-512M9PG +」(2020年5月1日発売) 製品情報(PLEXTOR) |
2018年1月にデビューした「M9Pe」シリーズ以来、約2年ぶりとなるPLEXTORブランドのフラッグシップSSD「M9P Plus」シリーズが遂に登場した。インターフェイスは先代と同じPCI-Express3.0(x4)ながら、NANDフラッシュは64層の3D TLC NAND「BiCS3」から、キオクシア(旧東芝メモリ)の96層3D TLC NAND「BiCS4」に変更。コントローラもクライアントからデータセンターまでを幅広くカバーするMarvell「88SS1093」から、データセンターをターゲットにした上位チップMarvell「88SS1092」へとアップグレードされている。
キオクシア「BiCS4」では、メモリへのアクセス速度だけでなく、データ精度や耐久性も向上しているという |
完全にデータセンターをターゲットにしたMarvell「88SS1092」。製品情報サイトを確認したところ、DRAMキャッシュの最大容量が2GB→8GBに拡張されていた |
また最大1GBの大容量LPDDR3Lキャッシュと、NANDフラッシュ容量を削減することなくSSDのパフォーマンスを最適化する「PlexNitro」を搭載。これにより、シーケンシャル読込は最高3,200MB/secから最高3,400MB/secへ、書込は最高2,100MB/secから最高2,200MB/secへ、ランダム書込も最高300,000 IOPSから最高320,000 IOPSへ向上。PLEXTORブランドのSSDとしては、最高峰のパフォーマンスを発揮できるようになった。
「M9P Plus」と「M9Pe」のスペック比較。ランダム読込は1TBモデルこそやや引き下げられたが、512GBモデルでは同等。またこれまで全体的にスペックが控えめだった256GBモデルでは、すべての転送速度が大幅にアップしている |
その他、多層エラーチェックメカニズム「TrueProtect」や、キャッシュデータを都度NANDに移動することで、データ精度と整合性を確保する「SmartProtect」、長期間安定したパフォーマンスを維持する「TrueSpeed」などの独自機能を搭載。さらにプロフェッショナルユースを想定した環境で読込/書込のシミュレーションを行う、世界トップクラスの検査機関による厳しいテスト「Plextor耐久テストメカニズム」を実施することで、優れた耐久性と信頼性を確保している。
製品ラインナップは、今回検証するヒートシンクを標準装備したM.2 2280モデル「M9PG Plus」の他、ヒートシンク非搭載のM.2 2280モデル「M9PGN Plus」と、大型ヒートシンクを標準装備したHHHLフォームファクタモデル「M9PY Plus」の3モデル。容量はそれぞれ256GB、512GB、1TBの3種類が用意される。
「M9PGN Plus」(画像左)と「M9PY Plus」(画像右)。違いはフォームファクタと、ヒートシンクの有無で、スペック自体は3モデルとも同じ |
ちなみにスペックは容量によって異なるが、512GBモデルでは、DRAMキャッシュがLPDDR3L 512MB、転送速度がシーケンシャル読込3,400MB/sec、書込2,200MB/sec、ランダム読込340,000 IOPS、書込320,000IOPS。MTBFは最低150万時間、書込耐久性は320TBWで、製品保証はSSDではトップクラスとなる5年間だ。
従来と同じデザインを踏襲したパッケージ。サイズは実測で、縦約87mm、横約167mm、厚さ約19mm。なお裏面には転送速度や本体サイズ、重量などのスペックが記載されていた |