エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.861
2020.05.01 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
これまでの製品に比べてM.2 SSDヒートシンクが大型化された「M9PG Plus」。テストセッションのラストはその冷却性能をチェックしていこう |
テストセッションのラストは「M9PG Plus」で大型化された、ヒートシンクの性能をチェックしていこう。負荷テストは「CrystalDiskMark 7.0.0」のデータサイズ64GiB、テスト回数5回を3回連続で実施。その温度と転送速度の推移を「HWiNFO64」で測定している。
Marvell「88SS1092」は比較的発熱に強いコントローラのようで、ヒートシンクのない状態でも極端にスコアが落ち込むことはなかった。しかし、コントローラの温度はテスト開始とともに一気に上昇し、1回目で72℃、2回目と3回目では79℃まで上昇した。一方、「M9PG Plus」に実装されているヒートシンクを使うことで、温度上昇はかなり緩やかになり、最高温度も68℃で頭打ち。約20分間にわたってストレージに負荷がかかる、厳しいテストにもかかわらず70℃を超えることは一度もなく、十分な冷却性能を備えている。
ヒートシンクあり/アイドル時のサーモグラフィー結果 | ヒートシンクあり/高負荷時のサーモグラフィー結果 |
ヒートシンクなし/アイドル時のサーモグラフィー結果 | ヒートシンクなし/高負荷時のサーモグラフィー結果 |
またサーモグラフィーの結果を確認するとアイドル時でも最高84℃、高負荷時には100℃を超えるところもあった。コントローラが発熱に強く、サーマルスロットリングが発生しにくいとはいっても、何らかの冷却は必須と考えて良さそうだ。
PLEXTORブランドのNVMe SSDとしては約2年ぶりとなる新作「M9P Plus」。最新NANDフラッシュ「BiCS4」の採用により、シーケンシャル読込はインターフェイスのほぼ限界となる3,400MB/secを達成。またこれまでやや性能面で不利だった256GBモデルの公称転送速度が大幅に底上げされ、コストを抑えつつ高速な環境を手に入れることができるようになった。
そして今回検証した「M9PG Plus」に目を向けると、ヒートシンクの性能が大幅に改善されているのも大きな特徴。最近では、マザーボード自体にM.2ヒートシンクが付属する製品も増えているが、標準装備されていない、もしくはヒートシンクが不足している場合には必ず「M9PG Plus」を選択したい。
PCI-Express4.0(x4)接続の製品はもちろん、PCI-Express3.0(x4)接続の製品でもシーケンシャル書込やランダムアクセスについては、より高速なモデルはたしかに存在している。しかし、「M9P Plus」のようにベンチマークテストやデータサイズに関係なく、安定したパフォーマンスを発揮できる製品は意外に少ない。さらにサーバーグレードのコントローラや、キオクシア製NANDフラッシュなど、厳選したパーツを採用する「M9P Plus」は、ピーク性能ではなく、信頼性や安定性を重視するユーザーにこそ選択して欲しい製品だ。
協力:PLEXTOR
株式会社アユート