エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.863
2020.05.05 更新
文:松野 将太/撮影:松枝 清顕
まずは3Dレンダリング系の定番ベンチマークソフト「CINEBENCH R15/R20」を使い、CPUの純粋な性能をチェックしていこう。
「Ryzen 5 1600 AF」のマルチスコアは1,181cbで、安価ながらかなりの水準のパフォーマンスを発揮できることが分かる。ほんの4~5年前であれば、メインストリーム帯ハイエンドCPUに比肩するだけのマルチスレッド性能だ。第1世代Ryzen発売当時も高いマルチスレッド性能は話題になったが、今やこれが1万円程度で手に入るというのだから、すっかり隔世の感がある。シングルスレッドのスコアは153cbと、さすがに第3世代の性能には及ばないが、価格を考えれば十分良好な結果だろう。
メニーコアCPU向けに設計された「CINEBENCH R20」においては、スコアの水準が高くなっているものの、傾向自体は「CINEBENCH R15」と大きく変わらない。低価格CPUというくくりで語るのが憚られるほどに、そつのないスコアを叩き出している。
同じくCPUを使った「V-Ray」ベースのレンダリング系テスト「V-Ray Next Benchmark」の結果も見てみよう。
CPUテストの結果は8,135ksampleで、こちらも十分な成果だ。余談だが、過去の検証におけるベンチマーク結果を見る限り、マルチスレッドが効くテストにおいて「Ryzen 5 1600 AF」のパフォーマンスは第3世代Ryzenの6コア/6スレッドCPU「Ryzen 5 3500」を数%ほど上回っている(参考URL:https://www.gdm.or.jp/review/2020/0217/337606/3)。シングルスレッド性能では「Ryzen 5 3500」に分があるため、価格差も考えれば、どちらを選ぶべきかは悩ましいところだ。