エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.863
2020.05.05 更新
文:松野 将太/撮影:松枝 清顕
最後に、システムの消費電力をチェックしよう。テスト方法は、起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時として採用し、「CINEBENCH R20」および「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」実行中の最高値をワットチェッカーで計測している。
アイドル時の消費電力がやや高いのはRyzenの特徴であり、取り立てて気にするほどのものではないと言える。「CINEBENCH R20」実行時は約150W、「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」実行時でも消費電力は300Wを超えない範囲に収まっている。アーキテクチャがZen+なので当然と言えば当然だが、Ryzen系CPUとしては可もなく不可もない消費電力だ。
「Ryzen 5 1600 AF」は、旧世代のZen+コアを採用することでミドル級のマルチスレッド性能を確保しつつ、低価格を実現。低予算な自作PCの新たな選択肢として成立している。当時は20,000円台でも「安い」と言われ、CPU市場に価格破壊を起こしたとされるRyzen 5。そんな性能を半額以下で入手できるとなれば、その魅力について、多くの説明は不要だろう。
コストパフォーマンスを重視した低価格帯Ryzenとしては、第3世代の「Ryzen 5 3500」も有力な製品であるものの、その価格差は実に5,000円前後。先に述べたように、シングルスレッド性能の差やキャッシュ容量をどう捉えるかが購入の分かれ道となりそうだ。“製品名や型番がややこしい”という些細な欠点はあるものの、間違いなく競争力のあるCPUと言っていいだろう。
協力:日本AMD株式会社