エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.865
2020.05.07 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
まずは定番のレンダリングベンチマーク「CINEBENCH R15」で、CPUの純粋なパフォーマンスをチェックしていこう。
シングルコアテストでは、最高4.35GHz前後までクロックが上昇するRyzen 3 3300Xが、唯一200cbを超え他のCPUを圧倒。またRyzen 3 3100も、Ryzen 3 3300Xとの比較では9割弱にとどまるものの、本来であれば格上となるCore i5-9400Fと同等以上の性能を発揮する。
続いてマルチコアテストの結果を確認すると、SMTが有効化され最大8スレッドの同時処理ができるRyzen 3 3100/3300XがいずれもCore i5-9400Fを上回るスコア。さらにRyzen 3 3100とRyzen 3 3300Xの差も8%に縮まり、コストパフォーマンス的にはRyzen 3 3100もかなり魅力的な存在だ。
なおRyzen 3 1200は、下位モデルのRyzen 3 3100でもシングルコアで約1.4倍、マルチコアでは約2.2倍もの差がついた。新型Ryzen 3シリーズは、SMTの有効化だけでなく、IPCの改善や、クロックの上昇によって大きくパフォーマンスが引き上がられている事がわかる。
次によりメニーコアCPUに特化したレンダリングベンチマーク「CINEBENCH R20」のスコアも確認していこう。
シングルコア、マルチコアいずれのテストもスコアの傾向は「CINEBENCH R15」とほぼ同じ。やはりRyzen 3 3100/3300Xが、本来は格上となるCore i5-9400Fをしっかりと上回る。またRyzen 3 3100とRyzen 3 3300Xの比較では、マルチコアは約8%、シングルコアは約12%で、自動オーバークロック機能による上昇幅がそのまま差として出ている。
続いてAVX2拡張命令をサポートする「HWBOT x265 Benchmark」を使い、動画のエンコード性能を確認していこう。
「HWBOT x265 Benchmark」では、スレッド数(論理コア数)より物理コア数の効果が大きいようで、1080p、4KともCore i5-9400Fが最速。とは言え、Ryzen 3 3300Xとの差は最大で約6%、Ryzen 3 3100Xとの比較でも約10%とそれほど大きくない。
次に「V-Ray」ベースのレンダリング系ベンチマーク「V-Ray Next Benchmark」のスコアも確認しておこう。
「HWBOT x265 Benchmark」では、Core i5-9400Fに逆転されたRyzen 3 3300Xだが、「V-Ray Next Benchmark」ではトップを奪回。またRyzen 3 3100との比較でも約11%とマルチコア時の動作クロック(約6%)以上の差がつき、「CCX」(4+0)構成によるレイテンシ低減効果などがスコアに表れているようだ。