エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.864
2020.05.07 更新
文:松野 将太/撮影:松枝 清顕
いよいよ「ExpertBook B9450FA」のベンチマーク結果をチェックしていこう。サンプル機材は「Core i7-10510U」および1TB NVMe SSDを搭載した上位モデル「B9450FA-BM0295TS」だ。
サンプル機材は「Core i7-10510U」搭載モデル | SSDはSAMSUNG「MZVLB1T0HALR-00000」1TBが搭載されていた |
まずは、CPUの処理性能を測る定番ベンチマーク「CINEBENCH R15」および最新版の「CINEBENCH R20」の結果を確認しよう。シングルスレッドおよびマルチスレッド、2種類のテストを実行している。
「CINEBENCH R15」のシングルコアスコアは144cb、マルチコアスコアは493cb。特にマルチテストでのスコアがかなり控えめだが、これは本製品が高負荷状態において意図的にパフォーマンスを調整しているためと思われる。実際、テスト中にタクスマネージャーからCPUの挙動を見てみたところ、中盤あたりから大きく動作クロックを落とし、CPU使用率も80%前後に低下することが確認できた。薄型・軽量のモバイルノートPCということで、発熱の制御もあり、このような調整が行われるのは致し方ない点だろう。
テスト中にタスクマネージャーでCPUの挙動を見たところ、中盤あたりからCPUの使用率が100%に届かなくなり、動作クロックも低下していることが分かった。CPUに最大性能を発揮させると発熱を無視できなくなるため、このような調整になったと思われる。 |
「CINEBENCH R20」でもシングルコアスコアはそれなりだが、マルチコアでスコアが低くなる傾向は変わらず。基本的に、レンダリングのようなCPUを使い切るような作業には向いていないと言えそうだ。
同じくCPUを使ったレンダリング系のテスト「V-Ray Next Benchmark」の結果も見てみよう。
結果は3,424ksamplesで、同じようにCPUの最大性能から考えれば結果は控えめ。普通に使用している限り頻繁に動作がカクつくようなことはないが、レンダリング、写真の編集や動画の編集など、一定時間以上PCに負荷をかけるような作業をこなすのであれば、本製品はあまり適正ではないだろう。一般的に、本体のコンパクト化と性能はトレードオフであり、これだけの可搬性を実現した本製品がパフォーマンスに制限をかけるのは無理からぬことと言っていい。
CPUの次は、ストレージのベンチマーク結果を見てみよう。テストには「CrystalDiskMark 7.0.0」と「ATTO Disk Benchmark 4.00」を使い、SSDの速度を確認している。
「CrystalDiskMark 7.0.0」、データサイズ1GiBでのテストを実施。シーケンシャルリードは3,451MB/sec、シーケンシャルライトは2,238MB/secで、PCI-Express接続のSSDとしてしっかり性能が出せている。このベンチマークはテスト時間もそれほど長くないため、安定していい結果が出ていた |