エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.864
2020.05.07 更新
文:松野 将太/撮影:松枝 清顕
本製品はまったくゲーム向けとは言えないが、念のためゲーム系のベンチマークも見てみよう。まずは3D描画性能を確認できる定番ベンチマークソフト「3DMark v2.11.6866」の結果からだ。プリセットはいずれもフルHD解像度(1,920×1,080ドット)、DirectX 11 APIを活用したテストである「Fire Strike」および「Sky Diver」を使用した。
「Fire Strike」の総合スコアは511で、かなり厳しい結果が出たと言える。Core i7を搭載しているとはいえ、モバイルノートには荷が勝ちすぎているテストだろう。「Sky Diver」の総合スコアは2,697。こちらは「Fire Strike」よりも良い結果だが、芳しい結果とは言えない。ゲームプレイに関しては、画質を問わず諦めたほうが無難だ。
最後に、比較的軽量なMMO RPG「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」の公式ベンチマークテストを使用してみる。描画品質はもっとも軽量な“標準品質(ノートPC)”に設定し、1,920×1,080ドットでの計測を実施した。
スコアは1,921で、快適度を示す判定は「設定変更を推奨」。この設定でも快適に動かすのは難しく、よりフレームレートを上げようと思えばあとは解像度を下げるほかない。そもそもノートPCでゲームがプレイしたければ、他に適切な選択肢があり、本製品の強みはそうした性能面とはまったく別の点にこそあることは留意いただきたい。
「ExpertBook B9450FA」は、14型ながら極めて高い可搬性と耐久性を兼ね備え、バッテリ駆動時間の長さといった機能面も充実させた、極めて優秀なモバイルノートPCだ。一般的なオフィス用途で使う場合には無駄のないスペックであり、昨今の働き方改革、在宅ワークといったトレンドにも合致している。特に、インターネットの閲覧やシンプルなデスクワークでPCを活用する人にとって、この製品はベストチョイスとなり得るだろう。
一方で、写真・動画のように重めのコンテンツを取り扱う場合など、多少のパフォーマンスが求められる環境であれば、性能的には我慢を強いられる場面が出てくる。その理由は、ベンチマークセッションで述べた通り、CPUにCore i7を搭載しているとはいえ、発熱を抑えるため性能を調整しているからだ。とは言え、ストレージ性能などは比較的優秀であり、大きなデータを読み書きするような使い方では快適さが保証される。用途によって切り分けが必要ではあるが、少なくとも頻繁に持ち歩くモバイル端末としてのノートPCを求めるのであれば、検討に入れるべきモデルであることは間違いない。
協力:ASUS JAPAN株式会社