エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.867
2020.05.11 更新
文:撮影・エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
ここからは国内代理店の株式会社アスク(本社:東京都千代田区)より借り受けた評価サンプル「Era ITX Carbon-TG」を使い、外観デザインからチェックをはじめよう。マットブラックに塗装された外装パネルはアルミニウム製。小型PCケースはそれほど広い面積を必要としないため、スチールよりも高価かつ見映えがするアルミニウムが使われる事が多い。恐らく設置場所はデスク上になるはずで、目に触れる機会が多いだけに、素材から感じられる高級感は重要なポイントと言えよう。
会社名が表す通り、Fractal Designはデザインにこだわりを持ったメーカーとして認知されている。スカンジナビアデザインは同社の代名詞でもあり、「Era ITX」にもそのこだわりの片鱗を窺い知る事ができる。そのひとつがフロントパネルデザインだろう。
アルミニウム素材の表面は、微細孔により手垢や汚れが付着しにくいアノダイズ処理が施され、美しさを維持。さらに左上から右下にかけて対角線上に張り出すアクセントを加え、立体感を与えている。また真正面から注意深く観察すると、両側面のラインが微妙に異なる事に気が付くだろう。単なる直線を嫌い、とことんデザインするあたりが、実にFractal Designらしい。
極力装飾をしないフロントパネルだが、スイッチおよびアクセスポートを正面左側縦列に並べた。最上部からLED内蔵のPowerスイッチ、次に最大10Gbps(理論値)対応で高速充電もできるUSB3.1 Gen.2ポートx1、さらにUSB3.0ポートx2、CTIA規格対応Audio/Micコンボ端子が装備されている。
出荷時のトップパネルは、ナイロン製の防塵フィルタがむき出しの状態。ここには、大型アクセサリボックスに収められている強化ガラス製パネル、または通気孔仕様のスチール製メッシュパネルを選択し、いずれかを装着する事ができる。どちらも固定方法はマグネット式で、簡単に付け替えができる。
出荷時のトップパネルの様子。一段凹んだ面にはナイロン製防塵フィルタが装着済み。こちらも固定にはマグネットが使用されていた |
見映えを重視した強化ガラス製パネル、または高い通気性が確保できるスチール製メッシュパネルから選択可能。内部構成パーツに見合ったスタイルで運用できる |