エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.869
2020.05.17 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
テストセッションの締めくくりとして、「PN60-BB7088MH」のベンチマーク中の挙動を確かめておこう。各種ベンチマークテストが動作していた際、CPUの温度や消費電力は、どの程度まで上昇していただろうか。
まず動作温度から見ていこう。高負荷時の数値は、「3DMark」の「Night Raid」プリセットを動作させた際のものだ。スペックシートにおけるCore i7-8550Uの最大温度は100℃だが、テスト中は最大95℃に留まっており、発熱は十分抑え込めている。
さすがに高負荷時にはCPUクーラーの動作音も耳に届いてくるものの、高周波は少なく耳障りには感じなかった。ゲームプレイ時のような特別なシチュエーションを除けば、騒音として意識することはないだろう。
そして消費電力は、CPUがフル稼働する「CINEBENCH R20」動作時が最も高く、110Wをマーク。「3DMark」と「FF14ベンチマーク」時には70W半ばで動作していた。さすがは省電力CPU搭載モデルといったところで、高負荷時でも通常のデスクトップPCのアイドル時ほどの消費電力に収まっている。省電力動作時は20Wと極めてエコであり、ライトなタスクがメインであれば、かなり電力を抑えることができる。
しばらく「PN60-BB7088MH」に触れる機会を得たワケだが、やはりこのサイズ感は、眺めているだけでも楽しい。そしてそれだけでなく、デスクトップPCとしてストレスなく使えるポテンシャルを備えている点が、その楽しさを支えている。
一般的なビジネスタスクはもちろん、設定次第でゲームも遊べるパフォーマンスがあり、周辺機器を絡めた使い勝手も良好。デュアルディスプレイ環境を構築できたり、有線・無線両方のネットワークが使えたりと、このサイズで立派に“デスクトップPCしている”のだ。性能向上版の登場は、シリーズの可能性をさらに広げたと言える。
さらに「PN60-BB7088MH」(あるいはCore i5搭載の「PN60-BB5087MH」も)が採用した、ベアボーンという販売形態も満足度を押し上げる要素のひとつ。望みの容量・動作クロックのメモリをチョイスしたり、売れ筋の高速ストレージを組み込んだり。小さく高性能なマシンに手をかけて、自分好みのマシンとして完成させることができる。ベースの素材が優れているだけに、さらに違ったバリエーションにも期待したいところだ。
協力:ASUS JAPAN株式会社