エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.870
2020.05.20 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
まずは定番のレンダリングベンチマーク「CINEBENCH R15」で、CPUの純粋なパフォーマンスをチェックしていこう。
シングルコアテストは215cbで、Core i9-9900Kが最も高いスコア。ただし最もスコアの低いRyzen 9 3900Xとの比較で約2%、Core i9-10900KやRyzen 9 3950Xとの差はいずれも1%未満で誤差の範囲。今回検証した4モデルは、いずれもほぼ同等と言って差し支えないだろう。
またマルチコアテストはCore i9-9900Kから約28%もスコアがアップし、コア数やクロックアップの効果はかなり大きい。ただし12コアのRyzen 9 3900Xとも20%以上の差があり、コア数のデメリットを逆転できるほどの違いはなかった。
次に、よりメニーコアCPUに最適化されているレンダリングベンチマーク「CINEBENCH R20」のスコアを確認していこう。
「CINEBENCH R15」ではほとんど差がでなかったシングルコアテストだが、「CINEBENCH R20」ではCore i9-10900KがCore i9-9900Kを約2%上回る。ただし、Ryzen 9シリーズはさらに高く、シングルスレッド処理で強かったIntelの新作としてはやや物足りない結果になった。
なおマルチコアテストについては「CINEBENCH R15」のスコアとほぼ同じ結果。Core i9-9900Kとの比較では、確実に上積みがあるもののRyzen 9 3900Xとの差を埋めることができるほどではない。
続いてAVX2拡張命令をサポートする「HWBOT x265 Benchmark」を使い、動画のエンコード性能を確認していこう。
処理の軽い1080pでは、約10%に差が縮まるものの4Kでは約18%の差が付き、やはりマルチスレッドに対応した処理では、先代モデルであるCore i9-9900Kからの上積みはかなり大きい。ただし、Ryzen 9 3900Xと比較するといずれも10%以上の開きがあり、やはり2コア分の差を埋めることはできていない。
次に「V-Ray」ベースのレンダリング系ベンチマーク「V-Ray Next Benchmark」のスコアも確認しておこう。
こちらもスコアの傾向はこれまでのマルチスレッドテストと同じ。Core i9-9900Kに対しては確実にアドバンテージがあるものの、Ryzen 9との差もまだ大きい。