エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.871
2020.05.21 更新
文:松野 将太/撮影:松枝 清顕
本体パッケージ。内部は2段のトレー状となっており、1段目にマザーボード、2段目にケーブルやマニュアル類が収納されている |
ここからは「Z490 Taichi」を開封し、画像による検証を進めていこう。まずはCPU電源回路回りのチェックだ。先に述べた通り、本製品は50A対応のDr.MOSを使用した合計15フェーズのCPU電源回路を搭載する。チョークコイルは最大60Aまで対応可能な「Premium 60A Power Choke」で、PWMコントローラーはIntersil「ISL69269」。「Taichi」シリーズではお馴染みとも言える、厳選された豪華コンポーネントを採用している。なお、TDP125Wの「Core i9-10900K」などのCPUでのオーバークロック時に十分な電力を供給するため、CPU補助電源コネクタの構成は8Pinが2つとなっている。
電源回路のヒートシンクは、ヒートパイプで連結された2ブロック構成で、左側のヒートシンクには1基、上側のヒートシンクには2基の「アクティブMOSファン」を搭載。またセミファンレス機能「0dB Silent Cooling」にも対応する。これによりヒートシンク自体は「Z390 Taichi」より小型化されているにもかかわらず、高い冷却性能と静音性を両立しているワケだ。
CPUソケットはLGA1200に刷新された。サイズはLGA1151と変わらないが、コンタクトピンが49本増えて1200本となっている。CPUクーラーの組付け機構は同じなので、LGA115x対応のクーラーが問題なく使用できる |
VRM部は一見すると大きな違いはないように見えるが、CPUソケット左側のヒートシンクには1基、上側のヒートシンクには2基の「アクティブMOSファン」を実装。また温度が下がるとファンを停止する「0dB Silent Cooling」を搭載することで静音性にも配慮した |
取り外したクーラー。互いにヒートパイプで連結されており、チョークコイルやDr.MOSに接触する部分はサーマルパッドが貼られていた |
ちなみに、クーラー部分を取り外すにはまずI/Oシールドを取り外す必要がある。外してみると、ファンを内蔵していることがより分かりやすい |
電源回路には、Dr.MOSや「Premium 60A Power Choke」「ニチコン12Kブラックキャップ」など高品質なパーツを採用。また、コンデンサの脇に設けられた“ハンダ列”は、放熱面積を増やし、基板温度を4.1℃下げることができるという新機能「放熱PCBテクノロジー」だ |
電源回路を構成するパーツに加え、VRM周りにLED発光用のチップが点々と実装されており、密度が高く感じる |
PWMコントローラはIntersil「ISL69269」であることが確認できた | 補助電源コネクタは8Pinx2設計。最大10コア/20スレッドに対応する第10世代Intel Coreプロセッサでは安定した電力供給が必要 |
チップセットカバーはM.2_2スロットのヒートシンクを兼ねており、独立した2本のM.2ヒートシンクと合わせ、マザーボードの下半分を大きく覆っている |
最近のハイエンドモデルの傾向として、チップセットカバーは大型になりがちだが、本製品もその例に漏れず、一部M.2 SSDのヒートシンクを兼ねる設計となっている。チップセット直上部にある意匠は「Taichi」シリーズでおなじみの歯車を模したデザインを採用。カバー部分にもヘアライン加工が施されているなど、外観へのこだわりが窺えるつくりだ。Intel Z490チップセット自体は発熱が大きくないため、AMD X570マザーボードのようにファン内蔵のクーラーは搭載されていない。
「Taichi」シリーズ伝統の歯車の意匠。カバー部分には「PHILOSOPHY OF INFINITE POTENTIAL」のコピーがプリントされている | カバーは星形ネジで留められているが、付属する星形ドライバーで取り外せる |