エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.872
2020.05.22 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
ここからは、編集部に届けられたサンプルをパッケージから取り出し、「ROG STRIX Z490-F GAMING」の外観や機能をチェックしていこう。まずはPCの安定性を司る上で最も重要なCPUソケット周りからだ。
電源回路は、電源効率が高く、発熱の少ないPower Stage「Dr.MOS」と、CPUに滑らかかつクリーンな電力を供給できる「DIGI+ VRM」による12+2フェーズ構成。さらにフェーズダブラーを使わない低遅延設計や、一般的な製品に比べて最高110%もの高温に耐えられる高品質なチョークコイルとコンデンサ、低インピーダンスな「Pro Cool II」コネクタなどを採用することで、第10世代Intel Coreプロセッサの安定動作を可能にしている。
CPUソケットは、第10世代Intel Coreプロセッサ専用のLGA1200。LGA1151から切り欠きの位置が変わっているが、取り付け方法やCPUクーラーの固定用ホールの位置に変更はない |
8pinの補助電源コネクタは、低インピーダンスピンを採用し、周囲を金属製プレートで補強した「Pro Cool II」コネクタ | CPUソケットの裏側にはメタル製のバックプレートを実装。また中央部分にはキャパシタが多数実装されていた |
CPUソケットの左上に逆L字型に実装された12+2フェーズの電源回路。フェーズダブラーを使わないことで応答性を高めている |
MOSFETには、ドライバIC、ハイサイドMOSFET、ローサイドMOSFETを統合し、電源効率を高めたPower Stage「Dr.MOS」を採用 | CPUが必要とする電力を素早く供給するPWMコントローラ「DIGI+ VRM」 |
また電源回路には、U字型のヒートパイプで連結された大型ヒートシンクを搭載。MOSFETやチョークコイルに接触する部分には、高品質サーマルパッドが貼り付けられ、発生した熱を素早く移動、放熱することで、高負荷時でも電源回路の温度を低く保つことができるよう設計されている。
電源回路には、U字型ヒートパイプで連結された3ブロック仕様の大型ヒートシンクを実装 |
水冷クーラー使用時など、エアフローが悪い場合に冷却性能を高めるため、ヒートシンクの左上には40mmファンを搭載できるブラケットが用意されている |
電源回路のヒートシンクは、ヒートパイプを使いCPUソケットの下にあるMOSFETまで拡張されていた |
ヒートシンクの裏面を確認。MOSFET部だけでなく、チョークコイル部にもサーマルパッドが貼り付けられ、まとめて冷却する仕組み |
「ROG STRIX Z490-F GAMING」に実装されるチップセットは、第10世代Intel Coreプロセッサに対応するIntel 400シリーズの最上位「Intel Z490」だ。PCI-Express3.0を24レーン備え、最高2.4Gbpsの高速無線LANであるIntel Wi-Fi 6 AX201をサポート。またマルチグラフィックス向けのPCI-Expressレーン分割機能や、「K」シリーズCPU向けのオーバークロック機能を搭載する。
基板右下に実装されているIntel Z490には、M.2ヒートシンクやCPUヒートシンクと一体化した大型のヒートシンクカバーを実装 |
プラスチック製のヒートシンクカバーには、ROGロゴが大きくデザインされたメタルプレートが貼り付けられている |
ヒートシンクカバーを外すと、チップセットにはさらに小型のヒートシンクが搭載されていた |
TDP 6WのIntel Z490。パッケージサイズは25mmx24mmで、USB3.2はGen.2なら最大6ポート、Gen.1なら最大10ポートまで対応する |