エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.873
2020.05.25 更新
文:松野 将太/撮影:松枝 清顕
MSI「MEG Z490 GODLIKE」 実勢価格87,000円前後 製品情報(MSI) |
ハイエンドモデルから2万円前後の下位モデルまで、すべての製品に2.5ギガビット対応有線LANを搭載するMSI Intel Z490マザーボード。相対的にエントリー~ミドル帯のコストパフォーマンスが高いとも言える |
MSIのIntel Z490マザーボードの国内展開ラインナップは全10製品。シリーズ全体の特徴とも言えるのが、フラッグシップからエントリーまで、すべてのモデルに2.5ギガビット対応の有線LANポートを搭載している点だ。マルチギガビット対応のネットワーク環境での利用はもちろん、回線速度が1Gbpsであっても恩恵を受けられる場合があるため、主にゲーミング用途でPCを使うユーザーにとっては要注目だろう。今回取り上げる「MEG Z490 GODLIKE」に至っては、さらに高速な10ギガビット有線LAN、Wi-Fi 6対応の無線LAN機能を搭載しており、現行製品において最高レベルの環境を整えられる。
また、PCI-Express4.0用の外部クロックジェネレーターを搭載しており、次世代CPUで正式サポートされた場合にこれを活用して、PCI-Expressスロット、M.2スロットなどをPCI-Express4.0で動作させることが可能になるという。この機能は複数のメーカーが対応しているが、現時点で次世代のCPUについての情報がないため、詳細は不明だ。ひとまず、CPUを更新する際などに世代をまたいで長く利用できる、という理解でいいだろう。
合計16+1+1フェーズの電源回路が目をひく「MEG Z490 GODLIKE」 |
回路にはフェーズダブラーを採用。第10世代Intel Coreプロセッサでは最大10コアになり、各社とも電源設計にはこだわりを見せているが、本製品はその中でもトップクラスのフェーズ数を誇る |
MSIの現行最上位製品である「MEG Z490 GODLIKE」は、CPUだけで16フェーズ、全体で18フェーズのCPU電源回路を採用。ハイエンドの「MEG」シリーズ製品にのみ搭載される、90A Smart Power Stageを採用する「Mirrored Power Arrangement」は、IntersilのPWMコントローラ「ISL69269」を活用することで、均等な電力共有や遅延の低減を実現。高負荷時のノイズも25%削減できるとしている。
マザーボード全体の冷却システム。一見しただけでは分からないが、I/Oシールド内には小型ファンが2基搭載されている |
「M.2 Shield Frozr」は、最上段のスロットのみ独立したヒートシンク。下2段はチップセットカバーごと取り外す必要がある |
加えて、VRM部の冷却をする小型ファンをI/Oシールド内に2基備えた「Frozr Heatsink Design」、8層PCB基板や金属製バックプレートの採用、各部に配置されたサーマルパッドなどにより基板全体の温度にも配慮。M.2スロットも、3つすべてが「M.2 Shield Frozr」ヒートシンクに覆われている。
オンボードの3つのスロットに加え、さらに2枚のM.2 SSDを搭載可能となる「M.2 XPANDER-Z GEN 4 S」。次世代プロセッサと組み合わせれば、PCI-Express4.0にも対応可能とのこと |
そのほか、金属補強したメモリスロット「DDR4 Steel Armor」やPCI-Express(x16)スロット「PCIe Steel Armor」、次世代プロセッサとの組み合わせでPCI-Express4.0も対応可能な拡張カードタイプのM.2 SSD搭載ソリューション「M.2 XPANDER-Z GEN 4 S」、帯域幅40Gbpsの2ポートのThunderbolt 3(USB Type-C互換)を搭載。“GODLIKE(神のような、神々しい)”のモデル名に恥じない高性能・多機能ぶりは健在だ。