エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.875
2020.05.29 更新
文:撮影・エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
次にグラフィックスカードを搭載してみたい。設置スタイルは2通りから選択できるが、まずは通常の水平スタイルで装着を試した。なお搭載テストにはMSI「GeForce RTX 2080 GAMING X TRIO」を用意。奥行き327mm(幅140mm、厚さ55.6mm)で、2スロットには収まらない、3連ファン仕様のVGAクーラーが装着されている。
フロントパネルまでの距離は実測で約140mmほどを残している |
拡張スロット金具は外部でのネジ留めタイプ。側面をサポートするカバーを外し、ハンドスクリューでグラフィックスカードを固定。最大440mmの有効スペースに対し、さすがのハイエンドグラフィックスカードも中型クラスにみえるほど、搭載後のクリアランスは確保できている。
電源を入れ、動作検証を試みた。各々イルミネーションが美しく、パーツ同士のほどよい距離は見た目のバランスも良い |
次に垂直マウントも試してみよう。5本のネジで固定された拡張スロットの枠を取り外し、左に90°立てた状態で再度固定。拡張スロットが縦になったところで、グラフィックスカードをネジ留めする。ライザーケーブルがオプション扱いではあるものの、強化ガラス製サイドパネルの面と3連VGAファンが正対し、視覚的により効果的な魅せるPCが構築できる点はメリットだろう。
水平から垂直に変更する手順は比較的容易。ライザーケーブルは決して安くないため、のちのちスタイルを変更するといった考え方でもいい |
大型PCケースの良さはとな何か。多くの自作派は高い拡張性や良好なエアフロー等のメリットを挙げるだろう。特に本格水冷を楽しむユーザーには良い選択であり、メーカーの推奨する作例を見ても、バリバリの本格水冷で固めた完成品は、誰が見ても恰好が良い。しかしここは、敢えて自作経験の浅い、ライトユーザーにお勧めしたい。
本格水冷はかなりハードルが高いが、それがすべてではないはずだ。最も大きなメリットは、圧倒的に組み込みがし易いこと。内部容積が広いため、ミドルタワーPCケースでは狭く感じる作業も、多くはスムーズにできる。さらに基幹パーツの有効スペースが広いだけに、パーツ選びは決してシビアではない。あまったケーブルの行き場は比較的確保できており、完成後丸見えになる左エリアを美しく魅せる事は比較的容易だろう。
将来的な拡張性も約束されているため、パーツの増設や組み直しも難なくこなしてくれる。重量級のPCケースは腰痛持ちの筆者にとって脅威であり、そもそも設置できるだけの広いスペースも持ち合わせていないが、組み込み作業の容易さはなかなかなもの。ハイエンド志向のユーザーなら勝手に選択するであろうし、ライトユーザーがPCケースを決めかねているなら、「View 51 TG ARGB」に目を向けてみてはいかがだろう。自作PCの楽しさに目覚める1台になるかもしれない。
協力:Thermaltake Technology
株式会社アスク