エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.876
2020.05.31 更新
文:/撮影・pepe
続いては、モーションブラーを軽減しFPSゲームなどの照準を合わせやすくする「Aim Stabilizer」の効果を確認していく。応答速度を高める「オーバードライブ」とは異なり、バックライトの強制点滅で物理的に画面を暗転させることで残像を低減させるものだ。テストではリフレッシュレートを165Hzに設定し、「Blur Busters UFO Motion Test」で確認、先ほど同様にデジタルスチルカメラのスーパースローモーションで直接撮影している。
実際に「Aim Stabilizer」を有効にすると、黒フレームではなく赤フレームが確認できる。仕様上、強制点滅することで時間平均の画面輝度が低下してしまうが、完全にブラックアウトする黒フレームではなく、赤フレームを挿入することで輝度の低下を抑制しているのかもしれない。また赤フレームの後に強いシアン色が確認できるが、この効果は一瞬のため肉眼で“赤っぽい”や“シアンっぽい”と感じることは無い。強制点滅によって残像部分が見えにくくなり、結果として残像が減っていると体感できるが、「Aim Stabilizer」はディスプレイ同期とは排他利用となるため注意が必要だ。
1,500Rの曲率を採用することで、その円弧の中心から視野全体が包み込まれるような独特の没入感は、曲面パネルで採用されることが多い曲率1,800Rのパネルよりも強烈だ。32型の比較的大きなサイズということもあり、その迫力はまるでミニシアターを見ているような感覚を覚える。
また、WQHD(2,560×1,440ドット)解像度かつリフレッシュレート165Hzという仕様は、まさに絶妙。FHD(1,920×1,080)解像度ではフレームレートを持て余してしまい、4K(3,840×2,160ドット)解像度では最高構成であっても高フレームレートの維持は難しく、ゲーミングPCとしての価格も跳ね上がる。それに対してWQHD(2,560×1,440ドット)解像度でミドルハイクラスのグラフィックスカードを搭載するゲーミングPCであれば、その性能を余すことなく引き出すことができる。
ハイエンド向けの「AORUS」シリーズと比較して、「G」シリーズが機能を簡略化した下位モデルという位置付けであることは、冒頭述べた通り。しかし同等の特徴やスペックを備えたゲーミング液晶は、競合製品に皆無だ。コストを抑え純粋にゲーミングパフォーマンスを追求した「Q32QC」は、ゲーマにとって歓迎すべき新しい選択肢と言えるだろう。
協力:日本ギガバイト株式会社