エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.876
2020.06.03 更新
文:撮影・エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
主たるコンセプトは「静音」でありながら、トップパネルの交換により「高エアフロー」に性格を変える「Define 7」シリーズ。この共通設計は、小型化された「Define 7 Compact」において、どのように折り合いが付けられているのだろう。ここからは冷却ファンレイアウトをチェックしていく。
フラットデザインが象徴的なフロントパネル。この裏側には「Dynamic X2 GP-14」が1基標準で装備されている。140x140x25mmの静音ファンで、ベアリングは「High-grade LLS」を採用。スペックは回転数1,000rpm、騒音値18.9dBA、風量68.4CFM、静圧0.71mmH2Oで、MTBFは100,000時間とされる。密閉型デザインから通気性について懸念されるところだが、実際にはフロントパネル両側面に通気孔を完備。フロントサイドからフレッシュな外気をストレスなく取り込む事ができる。
フロントパネル両側面には格子状の通気孔を設け、各々には着脱式の細長い防塵フィルタが装着されていた |
「Dynamic X2 GP-14」のブレードは7枚で、比較的オーソドックスな形状。なおブラケット部には120/140mmファン増設用のスリットが設けられている |
また、シャーシ側フロントパネルのブラケットには、120mmファン最大3基または140mmファン最大2基(1基標準装備)が搭載可能。内部構成により、エアフロー性能が向上できる。さらに120/140/240/280/360mmサイズのラジエターも搭載可能(幅145mmまで)。TDP120WクラスのハイエンドCPUの冷却対策にも、万全なる準備ができている。
標準装備ファンはシャーシ側フロントパネルの内側にネジ留め。出荷時はグラフィックスカードに対し、真横から風が当たる位置にマウントされていた |
密閉型トップパネルを付属の「Ventilated top」に付け替えれば、エアフローの強化が可能。オプションながら、120/140mmファンが最大2基増設できる。もちろんラジエターの搭載も想定され、120/240mmサイズがマウント可能。ただし240mmサイズラジエターを搭載する場合は、隣接するメモリスロットとの物理的干渉を回避するため、メモリ高は最大40mmまでの制限が付けられている。
「Ventilated top」換装で冷却ファン非搭載でも、自然排気のエアフローレイアウトは構築できるだろう |
リア上部には120mmファン「Dynamic X2 GP-12」が標準装備。120x120x25mmの静音ファンで、ベアリングは140mmファン同様の「High-grade LLS」。スペックは回転数1,200rpm、騒音値19.4dBA、風量52.3CFM、静圧0.88mmH2Oで、MTBFは100,000時間とされる。この部分には、120mmサイズラジエターが搭載可能。最もベーシックなオールインワン型水冷ユニット導入時には、ここを利用する事になるはずだ。
多少現実的ではないもののマニュアルによると、ボトム部にも120mmファンまたは120mmサイズラジエターが搭載できるようになっている。どうしても利用する場合は、ケージタイプのシャドウベイをフロント寄りにずらし、さらに電源ユニットもショートタイプを選択する必要があるだろう。いずれにせよ、積極的な増設はオススメしない。
4本のネジで固定されたケージタイプのシャドウベイは、フロント寄りにポジションを移動させる事が可能。電源ユニットとの間に120mmファンをねじ込ませる格好だが、かなりタイトである事は間違いない |