エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.877
2020.06.06 更新
文:撮影・こまめ
ここからは「GF75 Thin」の性能について、ベンチマーク結果を交えながら解説しよう。スペックをおさらいすると、CPUはIntel Core i7-10750Hで、メモリ容量は16GB、ストレージは512GB M.2 SSD、グラフィックスはNVIDIA GeForce GTX 1650 Tiだ。
なおベンチマークテストの実施あたりWindows 10の電源プランは「バランス」に、「Dragon Center」の「User Scenario」は「Extreme Performance」に設定した上で、さらに空冷ファンを最大出力で回転させる「Cooler Boost」に有効にしている。ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミングなどで大きく変わることがあるため、あくまで参考値として考えていただきたい。また文中で触れている他パーツとの比較値は、筆者調べによるものだ。
まずはCPU性能を計測する「CINEBENCH R15」および「CINEBENCH R20」の結果から。
「GF75 Thin」では最新の「Core i7-10750H」が使われているが、ベンチマークテストではひと世代前の「Core i7-9750H」の平均値と変わらない結果だった。ただ「Core i7-10750H」の平均値は「Core i7-9750H」を上回っているので、「GF75 Thin」でパフォーマンスが伸びなかったと考えるべきだろう。
テスト結果としては少々残念ではあるが、「GeForce GTX 1650 Ti」を搭載したエントリ-機であればこの程度の差はゲームの快適さに大きく影響しないだろう。MSI製品の傾向からして、あえてゲーム影響しない範囲でパフォーマンスを抑えている可能性がある。これは熱によるパーツの劣化や故障を防ぐためだ。
評価機では512GB M.2 SSDとしてWDの「SN730」が使われていた。PCI-Express3.0(x4)の超高速タイプで、シーケンシャルリードは3,027MB/secと爆速。ランダムアクセスについても非常に優秀で、実際の利用でもストレスを感じる場面はなかった。出荷時のロットによって異なるSSDが使われる可能性があるが、おそらく同程度のパフォーマンスを発揮できるだろう。
「CrystalDiskMark 7.0.0 x64」による512GB M.2 SSDのアクセス速度計測結果 |
3Dベンチマークソフト「3DMark Version 2.11.6911.0」から、フルHD環境でのDirectX 12のパフォーマンスを計測する「Time Spy」の結果は以下のとおり。
スコアについては高くはないものの、エントリー向けGPUを搭載していることを考えれば妥当な結果だろう。前世代の「GeForce GTX 1650」のスコアを上回っていることから、グラフィックス性能は順当に向上していることがわかる。