エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.879
2020.06.11 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影・pepe
CFDから提供された資料によると「CG3VW」シリーズでは、コントローラの発熱が少ないのも特徴とのこと。そこで、カバーを外した状態で、「CrystalDiskMark 7.0.0」(0fill)のデータサイズ64GiBを3回繰り返す負荷テストを実施。その際の転送速度を「HWiNFO64」で、温度をサーモグラフィで計測することにした。
アイドル時のサーモグラフィ結果 | 高負荷時のサーモグラフィ結果 |
まず「HWiNFO64」のSSDの温度だが、33℃から全く動きなし。「CrystalDiskInfo 8.5.2」の結果も同様で、SSDの温度センサーは有効に動作していないようだ。またサーモグラフィの結果を確認すると、最も温度が高いのはやはりコントローラ部分。とは言え、アイドル時は41℃、高負荷時でも48.5℃で頭打ち。NVMe M.2 SSDでは100℃を超えるものもあることを考えれば、Phison「PS3111-S11T」は非常に低発熱。サーマルスロットリングと思われる大幅なスコアの落ち込みもなく、特に冷却対策をする必要はないだろう。
NVMe M.2 SSDの台頭もあり、製品全体がローエンド向けになりつつあるSATA3.0(6Gbps)SSD。その中でもエントリークラスに位置づけられる「CG3VW」シリーズは、決してパフォーマンスを追求した製品ではない。とはいえ、ランダムデータでもシーケンシャルアクセスは最高540MB/sec、ランダムアクセスも最高80,000 IOPSを超え、この製品がメインターゲットにしているHDDや初期のSATA3.0(6Gbps)SSDからの換装であれば、十分その違いを体感できるだろう。
またNANDフラッシュをSK Hynix「V4 3D TLC NAND」に変更したことで、書込耐性は従来から1.5倍以上も向上。さらにCFDのSSDは、コントローラだけでなく搭載しているNANDフラッシュがしっかりと明記され、購入時期に関わらず常に一定の品質・性能が担保されているのも大きな魅力だ。
価格を抑えつつ品質や耐久性を重視した設計が光るCFD「CG3VW」シリーズ。起動用、作業用、データ用など、用途ごとに複数台搭載するような使い方も現実的だ |
唯一気になったのが、容量が最大でも480GBまでしかない点。安価ながら品質にもこだわった設計思想は、データドライブとしても力を発揮できるだけに、今後より大容量なモデルにも大いに期待したい。
協力:CFD販売株式会社