エルミタ的「編集部で使ってみた」
2020.06.15 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
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最大6台を同時に充電できるポート構成。それぞれが一般的な充電器に比べ高速な充電が可能だ |
続いて、より詳細にモバイルバッテリーとしての性能を把握しておこう。最大6系統の出力が可能な「Harbor」は、USB出力ポートが合計5基、USB入力ポートは合計2基備えている。
出力ポートの仕様は、USB Type-A(Output2~4)が「5V/3A」、Quick Charge 3.0対応のUSB Type-Aは「5V/3A、9V/2A、12V/1.5A」、最大18WのUSB PDに対応するUSB Type-Cは「5V/3A、9V/2A、12V/1.5A」という構成。現行の急速充電規格を網羅しており、機種を問わず端末にとって最適な充電が可能というワケだ。
また、入力はUSB Type-Cが「5V/3A、9V/2A」、microUSBが「5V/2A、9V/2A」という構成。USB PD対応の充電器をType-Cポートに接続すれば、約6時間で30,000mAhの内蔵バッテリーをフルチャージ可能だ。なお、高品質電池の採用により、500サイクル以上充電した場合でも、60~80%の容量をキープできるという。
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内蔵バッテリーの残量を4段階で把握できるLEDインジケータ。ソーラーパネルで本体を充電している場合は、左端のソーラーLEDが点灯する |
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最新スマートフォンに対応機種が増えている、Qi準拠のワイヤレス充電に対応。ケーブルいらず、端末を給電パッドに置くだけで充電できる |
そのほか、ワイヤレス充電機能は、現行で最大となる10Wの急速充電に対応。Androidスマートフォンは最大10W、iPhoneは最大7.5Wの最高効率で充電できる。iPhone 11をワイヤレス充電した場合は、約1.15時間ほどでフル充電が可能なようだ。余分なケーブルを持ち歩く必要がないため、対応端末の場合は、積極的にワイヤレス充電を活用したい。
そして災害時などに活躍してくれそうな、高輝度LEDライトもオマケ以上の実用性。900ルーメンの2灯ライトは、電源ボタンをダブルクリックすることで点灯。長短2モードのフラッシュモードを組み合わせれば、SOS信号を送ることもできる。最大で25~30時間の点灯が可能というから、あまりケチケチせずに使える点も嬉しい。
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Qiによるワイヤレス充電中には、ワイヤレスチャージング用のLEDインジケータが点灯する |
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かなりの明るさがあるLEDライト。フラッシュモードに加え、光量を抑えたエコな発光モードも備えている |
昨今のスマートフォンは省電力性能も優れており、ひと頃に比べバッテリーライフはだいぶ改善した。相対的に日常生活におけるモバイルバッテリーの存在感はやや低下した感があるものの、その一方で災害やレジャーといった非日常のシーンでは、大規模バッテリーのニーズが増している。
そうした特殊なシチュエーションでは、可能な限り大容量で、なおかつ素早く端末を実戦復帰させられるパワーが必須。「Harbor」はこの条件をすべて満たしているのはもちろん、本体のバッテリーを電源レスで充電できるソーラーパネルも一体化しており、非常用電源としてまったく隙がない。タフなボディや高輝度ライト、さらにワイヤレス充電対応といった便利な機能群がまた、その完成度を高めている。
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もちろん同様のスタイルの大容量バッテリーは、これまでにいくつも登場してきた。しかしすべての機能を兼ね備え、なおかつ30,000mAhの大容量を内蔵し、このサイズ感に収めたモデルは極めて珍しい。
それでいて一般販売価格は税込14,500円、クラウドファンディングにおける早割では税込9,600円と、機能や実用性を考慮すれば、価格設定は割安に感じる。多彩すぎる機能を1台で全部まかなおうという、欲張りユーザーのアウトドアニーズにピタリとハマる製品だ。
協力:アイスモード国際ホールディングス有限公司