エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.880
2020.06.16 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
ASRock「B550 Steel Legend」 市場想定売価税抜21,500円(2020年6月20日発売) 製品情報(ASRock) |
AMD B550チップセット。AMD X570のようなむき出しではなく、AMD 400/300シリーズのようにメタルカバーで覆われていた |
第3世代Ryzenシリーズのエントリーモデル「Ryzen 3 3100/3300X」と同時に発表された、Socket AM4向け新チップセット「AMD B550」。ミドルレンジ向けAMD B450の後継に位置づけられる製品で、最上位チップセットであるAMD X570と同様、PCI-Express4.0に対応しているのが最大の特徴だ。
AMD B550チップセットでは、第3世代Ryzenシリーズに実装されている20レーンのPCI-Express4.0を利用することができる |
これまで、Ryzen 5/3シリーズのような、エントリーからミドルレンジクラスのCPUでPCを組む場合でも、PCI-Express4.0 SSDを使う場合、高価なAMD X570マザーボードを用意する必要があった。しかし、AMD B550が登場したことによって、より手頃なラインナップが増え、PCI-Express4.0 SSDを導入するハードルは低くなる。またAMD X570チップセットと同じく、今後登場予定のZen 3アーキテクチャを採用する、次世代CPUにも正式対応しており、将来性も万全だ。
AMD 500シリーズなら、Zen 3アーキテクチャの次世代CPUにも対応。1つのマザーボードを比較的長期間使い続けられるのは、Intelにはないメリットだ |
ただし、AMD X570では、CPUだけでなく、チップセットに内蔵されるレーンもPCI-Express4.0だったのに対して、AMD B550では、チップセットのレーンはPCI-Express3.0を採用。そのためPCI-Express4.0に対応するのは、CPUから伸びるグラフィックス用とSSD用のみで、PCI-Express4.0 SSDは基本的に1台に制限されることは覚えておく必要がある。
AMD X570では、チップセット接続のコントローラやCPU-チップセット間の接続にもPCI-Express4.0が使用されていたが、AMD B550では、CPUレーンのみPCI-Express4.0に対応する |
今回の主役である「B550 Steel Legend」は、そんなAMD B550チップセットを採用する、ATXマザーボードのミドルレンジモデルだ。
ASRockからは「B550 Taichi」を筆頭に、計10モデルのAMD B550チップセット搭載マザーボードが登場する予定だ |
耐久性を重視した設計と、安価な価格設定によりユーザーの絶大な支持を集めた「B450 Steel Legend」の正統後継で、PCの安定動作を司る電源回路には、ハイエンドモデルと同等の高品質なパーツを採用。さらに先代モデルでは控えめだったフェーズ数は、6フェーズから14フェーズへと大幅に強化されている。
「Steel Legend」シリーズ史上最高となる14フェーズの電源回路を搭載する「B550 Steel Legend」 |
また優れた放熱性能と、安定した信号トレースを可能にする「2oz Copper PCB」や、MOSFETの熱を効率よく冷却する大型ヒートシンクなど、冷却システムにも抜かりなし。これにより、コア数、動作クロックとも大幅に引き上げられ、より電源回路への要求がシビアになった、第3世代Ryzenシリーズの安定動作を可能にしているワケだ。
そして、もちろんAMD B550の最大の特徴であるPCI-Express4.0にも対応。グラフィックスカード用のPCI-Express4.0(x16)と、NVMe SSD用の「Hyper M.2」をそれぞれ1基ずつ搭載する。さらに最高4,733MHzの高クロックメモリや、Realtek「Dragon RTL8125BG」による2.5ギガビットLANなど、一部の機能は上位チップセットAMD X570採用モデルを上回っている。
上段のM.2スロット(Hyper M.2)とPCI-Express(x16)スロットはいずれもPCI-Express4.0に対応。また基板には「Steel Legend」シリーズおなじみの迷彩パターンがデザインされている |
その他、アドレサブルRGB LEDによるイルミネーション「Polychrome RGB」や、NVMe M.2 SSDのサーマルスロットリングを解消する「M.2 Armor」、重量級のグラフィックスカードを安全に支える強化版メタルスロット「Reinforced Steel Slot」、PCケースにフィットする一体型I/Oシールド「Flexible I/O Shield」など、定番の機能もほぼ全て網羅している。
「Steel Legend」シリーズおなじみのデザインを採用するパッケージ。サイスは実測縦333mm、横383mm、厚さ85mmで、やや大柄な印象 |
パッケージの裏面には主要機能の解説が記載されていた | マニュアル、ドライバCD、ケーブル、ネジ類の他、ステッカー、ポストカード、ケーブルタイが同梱された「ラッキーバック」が付属する |