エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.881
2020.06.20 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
ここからは、いよいよ「SST-PF360-ARGB」を組み込んだシステムを動作させ、その冷却性能を検証していく。CPUは「第10世代Intel Core プロセッサ」最上位の10コア/20スレッドモデル「Core i9-10900K」、マザーボードやグラフィックスカードは先ほど「SETA A1」に搭載した構成を使用した。
ちなみに「Core i9-10900K」はコア数・スレッド数の増加によるパフォーマンス向上と引き換えに、TDPも最大125Wに上昇。これまで以上に冷却への配慮が必要になった。はたして「SST-PF360-ARGB」はどこまでその発熱を抑え込むことができるのか、ストレステストで確認してみよう。
なお、テストは「OCCT 6.0.0」のOCCTプリセットを使用。「HWiNFO64 v6.26」で動作クロックやCPU温度、ファン回転数を計測している。
10コア搭載の最上位モデル「Core i9-10900K」、ASUSのIntel Z490マザーボード「ROG STRIX Z490-F GAMING」を組み合わせ、テスト環境を構築している |
短時間のTDP超過動作を許容する「Core i9-10900K」の仕様上、高負荷動作の初期は全コア4.8~4.9GHzほどで動作。制限時間を経過した後は、4.5~4.6GHz程度で動作していた |
テスト中の動作クロックが途中で大きく変動しているが、これは「Core i9-10900K」の電力制限仕様によるものだ。高負荷動作の初期は最大250Wの消費電力を許容するPL2(Power Limit 2)のパワーリミットが適用され、全コア概ね4.8GHzほどで動作。制限時間が経過した後は、基本スペック通りの最大125Wで動作するPL1(Power Limit 1)のパワーリミットが適用され、4.5~4.6GHzで動作していることが分かる。
その際のCPU温度を確認すると、パフォーマンスと発熱が増加するPL2動作時であっても、概ね65~70℃の範囲で推移。最大でもわずかの時間72℃に達した程度であり、冷却性能はかなり優秀だ。
そしてより負荷が低下するPL1動作時は、CPU温度は61~65℃の範囲に収まっている。長時間の負荷がかかる際はPL1で動作することを考えれば、まったく不安のない冷却性能を備えていることが分かる。
また、最大回転数2,200rpmのアドレサブルRGBファンは、最大でも1,600rpm台半ばと、だいぶ余裕のある挙動。PL1動作時は常に1,500rpm以下で回転しており、騒音が耳に届くことはなかった。確かな冷却性能が下支えすることで、静音動作も同時に実現できている。